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トーマと天馬
大地にふたたび降り立ったアルトシオをトーマがにやにやしながら迎えた。
「どうしたの?トーマ」
「だって剣が抜けたってことはあの眠り姫の目が覚めたってことだろ?」
「あっ、そうか」
アルドが抜けたということはそういうことなのだ。
「城にもどらないと」
「だから俺をおいてくなって」
「いいからはやく」
よくねえよ、と叫ぼうとしたその体が宙に浮く。シリウスがトーマを背に乗せたのだ。
「馬、おまえーうわっ!」
いきなりシリウスが超高速で駆け出した。
景色さえ見えないその速度にトーマは悟る。
わざとシリウスが彼を乗せたことを。
「畜生、はめられたーっ」
トーマの絶叫が大地に響いた。




