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光の王子

そう決意した時、少年の心にはじめて少女の声が届く。


ー剣をとって。


優しい風のような囁きに、剣を持つ手に少女の手が重なるのがわかる。


いままでどんなに力を込めても抜けなかった聖剣がまぶしい光となって少年を包み込んだ。


圧倒的な力が身体中にしみこんでくるのがわかる。


それは限りない慈しみの心。


ーそれが光の王子だ。


 その剣の閃光は一瞬にしてオークたち人間でない者を消し去った。


聖なる光。


剣を高々と掲げる金色の王子の姿に人々は声もなくただ地面に座り込む。


「ーア、アルトシオ?」


唾を飲み込んでトーマはその名を呼んだ。


すると少年はにっこりとひだまりのような笑顔になる。


「やっとフィオラシア姫に認めてもらえたみたい」


澄んだ声と少年の笑顔に徐々に人々の間からコールが沸き起こってくる。


あの時と同じに、けれどまったく違う歓喜に満ちたコールが大地をおおう。


ー光の王子。


「やったな!」


トーマがアルトシオを抱きしめた。


「うん。でも、これからだよ」


空を飛ぶ巨大な飛竜を見つめる彼の前に、天馬が舞い降りた。


まるで少年が聖剣を抜くときを待っていたかのように。


「行こうシリュー」


その背に乗り、アルトシオは駆ける。ヴァリシオンの元へと。


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