理不尽
朝日がこんなに待ち遠しかったことも、永遠にこなければいいと思ったこともない。
けれどひがしのそらがだんだんと明るくなって行く。
「くっそー。アルトシオッ!この馬鹿っはやく目を覚ましやがれっ」
トーマの絶叫は黄がれ時にむなしく吸い込まれて行くだけだ。
「アルトシオ・・・」
ぼう然とリタもことの成り行きを見守っている。
かんがえる全ての方法をためし見事に彼らは脱出できなかった。
いまも両わきを屈強な男どもに抱えられてアルトシオが眠っているテントに火がつけられようとするのを見守っていた。
頭の住でアバイズの言葉が残る。
これは最善策なのだと。
それはわかる。
アルトシオが死ねばヴァリシオンも永き眠りにつく。
無駄な血は流れない。けれどー。
(あたしの夫はこんな結末のために死んだんじゃないよ)
そうさ。アルトシオはー古き光の王子だ。
こんなことくらいで死んでいいはずがない。
そんなこと天国にいる夫に言えるわけない。
朝日がこんなに待ち遠しかったことも、永遠にこなければいいと思ったこともない。
けれどひがしのそらがだんだんと明るくなって行く。
「くっそー。アルトシオッ!この馬鹿っはやく目を覚ましやがれっ」
トーマの絶叫は黄がれ時にむなしく吸い込まれて行くだけだ。
「アルトシオ・・・」
ぼう然とリタもことの成り行きを見守っている。かんがえる全ての方法をためし見事に彼らは脱出できなかった。
いまも両わきを屈強な男どもに抱えられてアルトシオが眠っているテントに火がつけられようとするのを見るしかない。
「やめなっ!」
「痛っ!」
両わきを抱える男どものむこうずねをけり上げて自由になった足で猛然とテントに走り寄るより先に火がつけられた。
そしてー、
疾風のごとく白馬がテントの中に入って行くのが見えた。




