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時を同じくして、丹後は操舵室へと戻っていた。
彼は図面や計器類が乱雑に設置した猫の額ほどの空間に腰をおろし、今回の漁の計画について考えを巡らせた。
──男船の連中は気狂い揃いさ。
アイツらわざわざ危険な天候や波のある海域ばかり選んでいきやがる。
命がいくらあっても足りやしねえ……
近隣の漁師たちにおける共通の認識である。
実際、それらが功を奏したおかけで毎回高い漁獲高を維持しているものの、船員の命を安売りするような強引な漁については批判の声が大きい。
丹後は生活の糧以外に、一つの大きな目的を持って漁に臨んでいた。
その為に、何人の船員が命を落とそうが、彼にとっては大きな問題ではなかった。




