表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男船  作者: 秋山善律
29/35

3-2

 男船での作業は交代制となっていた。

 十時間ぶっ通しで働き、仮眠を取る。

 仮眠室は六人分一部屋しかあてがわれておらず、ベッドが満杯の時は床や通路で横になる。

 部屋は常に暑く湿っており、汗ばんだ男達の体臭が匂った。

 また、常に揺れる船体に、とめどなく響く罵声、怒声にイビキ。

 とてもではないが、まともな神経を持ち合わせた者であれば就寝など不可能であった。

 しかしながら、人間とは環境に適応するものである。

 初めは眉をしかめていた新入り二人も、慣れた様子で寝支度を行える程になった。

 船内での唯一の楽しみといえば、食事くらいのものであった。

 メニューは大抵形の悪いマグロか、餌に用いるイワシなど、これらを船員が思い思いにアレンジして食する。

 行儀も何も、あったものではない。

 誰もが汗と塩にまみれて行き交い、不浄な手で米をかき込む。

 話題といえば、漁の話か武勇伝、もしくは犯罪自慢、港に残した女や娼婦についてがほとんどを占めた。

 常に死と隣り合わせという状況がそうさせたのだろうか、山峯は、船員達と過ごすこの時間を、心地がよいと感じ始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ