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──き……9m……?
あまりにも現実離れした記録に騒然となる船内。
「ば……バケモンだ……」
「どうなってやがるんだ……今度の新入り共は……」
先程絡んできて大男は、驚愕の余り泡を吹いて気絶してしまった。
数々の強者と渡り合ってきた山峯でさえも、驚きを禁じ得ることができない。
「ま、こんなもんか。それじゃあな」
男はこともなげにそう言い残し、その場を立ち去ろうとした。
「大したもんじゃないか」
山峯は素直に、男に称賛の言葉を投げかけた。
「たまたま調子が良かっただけさ」
そう言って、不敵な笑みで笑う。底の見えない男であった。
「佐郷守だ」
男は右手を差し出してきた。
「山峯顕士だ」
山峯も手を出し、互いに実力を認めあった男同士の、固い握手が交わされた。




