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「待ちな」
山峯と大男との間に割って入るように突如としてして現れ、今まさに顔面を殴打すべく放たれた拳を制した男がいた。
「あぁん!?何だてめぇは?」
山峯と同年代であろうか。短髪に均整の取れた筋肉質な体躯。
何より、数々の修羅場をくぐり抜けてきたかのような危険な雰囲気を纏っている。
「その辺にしといたらどうだい?出港前に怪我しちゃ、あのおっかない船長にどやされちまうぜ……」
──クソ!どういう訳だ!?腕が全然振り解けねえ……
平然とした表情をしているものの、男の手を振り払おうと苦心する大男の動作を、己の筋力で抑えつけている。
やがて実力の差を悟ったのか
「チッ!今日の所は勘弁してやるぜ!」
そう言って男の手を振り払い、踵を返してその場を離れようとする大男の背に、思いもよらぬ言葉が投げかけられた。
「ところで、俺も新参者なんだが、さっきの競技には参加しなくてもいいのかい?」




