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男船  作者: 秋山善律
12/35

1-11

 ──5.3m……!?

 予想を超えた記録にざわめく船内。

「ご…5.3っていったら、兄貴の記録より凄いんじゃ……」

 先程、山峯に突っかかってきた大男の、小判鮫のような男が驚きと共に口にする。

 それを聞いた男は

「ば…バカ野郎!そんな事がある訳ねぇ!こいつはなにかの間違いだ!」

 狭量な人物ほど、自分の想像を越えた物を目にした時、狼狽と否定しかできない。

「やり直しだ!俺は認めねぇぞ!」

 盛んに仕切り直しを主張する大男。

「何度やっても結果は同じさ……。見苦しいぜ。言いがかりは」

 と、こともなげに山峯は言った。

 というより競技の性質上、再度同じような記録を出すのは不可能に近い気もする。

「こ…この野郎!こうなりゃ関係ねぇ!腕づくで誰がここのボスか思い知らせてやる!」

 激昂した大男は、突如として山峯に襲いかかった。

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