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3話 お絵かき

部長という呪いで寝てしまった徹は、

教室でうなされていた。

(うーん。この案件は明日までに終わらせます。

なので今日は帰らせてください。もう日付変わっちゃいますよ。むにゃむにゃ…)

5歳児とは思えない悪夢をみている。

「…るくん。…とおるくーん、起きて。」

(だ、誰だ!俺の数少ない睡眠の邪魔する悪魔は)

仕方ないから起きた。先生だった。

「あ、起きたね〜。偉いぞ〜。」

起きるだけで褒められる喜びをかみしめた。

「さあ、今はお絵かきの時間だからお絵描きしようね。テーマは今欲しいもの。できたら先生に見せてね。」

徹は冴えない頭を頑張って働かせて考えた。

(そんなん、一択しかないけどなー。皆のやつも

見せてもらおう。)

「ねえケン君。なにかいたの〜?」

ケン君は坊主頭がよく似合っている。坊主といえば

野球一択。

(野球の道具とか描いてるんだろうな。どれくらい

上手いのか気になるな、あ、丸が見えたな。野球ボールか…いいなー若いって。)

徹は若干の好奇心があった。

「あ〜とおる君。えーっとね、今ね、

数珠描いてるの。」

(いや斜め上すぎるて!こいつほんとに5歳児かよ。俺が言えたことじゃないけど。)

「じ、数珠。渋いね〜。」

(反応に困るんじゃ。)

「ケン君のおうちは、お寺なの?」

「ううん。お父さんが草やきゅうのカントク?

なだけだよ〜。」

(いやいやいや、おかしいだろ!普通親に影響されるだろー!え、何この子?俺より変だよ!)

「なんで数珠が欲しいの?」

徹の顔は引きつっている。

「煩悩を無くすためだよ〜。」

煩悩しかない5歳児徹は、無邪気な笑顔を向けられた。徹の顔は冷や汗ダラダラだ。

「ところで、とおる君は何描いたの?」

徹は走って自分の画用紙を背中に隠した。

(まずいって!お金描いたのバレたら、子どもの

教育上まずい!)

「あ、ご、ごめ~ん。実はまだなんだ〜。描けたら見せにいくね…」(猫なで声最高音)

「うんわかった。楽しみにしてるね。」

屈託ない笑顔でそう言われた。

徹のライフと大人としてのプライドはもう0よ!

そんな中、後ろから声がした。

「とおる君、それお金だよね。

さくら知ってるよ!」

高額請求書女、さくらちゃんだった!

(k点超えてもはや大気圏突入したー!!)

心拍数が一気に跳ね上がった。

「とおる君……そんなっ、煩悩しかない人間だったなんて……。」

(いや修羅場すぎるだろ!前世で浮気されたとき

ぐらいの修羅場だよ!)

ケン君から蔑んだ目を向けられた。

「っ…どうか、どうかご勘弁をーー!」

この叫びは先生の間で『ドーカの悲劇』として

語り継がれたとか…

(**後日、ケン君とは和解できた**)


「あれが最近目立ってるって噂の

『しらゆきのとおる』(2話参照)か。

少しシめるか…」

廊下から徹のことを睨む3人の陰があった。

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