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異世界コンニビ1号店  作者: 音音
第1部 世界は飢えている

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10/13

痺れ芋⑧

 ミサキは団子、粉の方向でいこうと決めたが、村に帰ってすぐに作れるものとしてリゾットも教えた方が良いよね。と、そのままリゾットの作り方をピーとヤーモに教えることにする。

 粉を()くのには時間がかかること、村人全員の分を()こうと思えば更に時間がかかるという理由から、引き続きリゾットの作り方を教えようと思ったのであって、フライパンに油を注いでしまったからという理由ではない。

 ピーとヤーモの村には油がないが、帰るときに油を渡して、それがなくなるまではリゾットを作ってもらえばいいだろうと。

 季節も収穫時期も関係なく実る、果物や野菜でリゾットに入れる野菜には困らないので、それもあわせて持っていってもらえばいい。

(そもそも、野菜とかいろいろ入れないと美味しくないもんね。玄米と一緒に油と野菜を持っていってもらって野菜がなくなっても油があるうちは主食として作ってもらえば良いし、きっと作られていくうちに現地にあった方法になると思う)


 未来のピーとヤーモと村の人たちに丸投げである。




 出来上がった野菜がたっぷり入ったリゾットは二人には好評だったが、ミサキとしては少し味に物足りなさを感じた。

(コンソメとか使うべきだったかな? でも、村に帰ってから作ること考えるとなぁ。素材の味を生かしたといえば、そうなんだけど……)

 そんなことを考えていたミサキの目に入ったのはお徳用サイズと大きく書かれた塩と胡椒をベースにした粉末調味料。

 こちらの世界に来る少し前。母親から定期的に届くお菓子などが詰められたダンボールの中に入っていたものの一つ。

 荷物が届いたことを連絡する電話をかければ、母親が興奮して話してきたことをミサキはしっかりと覚えている。

『すごいでしょ! これで通常サイズのより少し高いぐらいなんだって。大きくてびっくりしちゃった』と、職場で頂いたけれど使い切れないから荷物にいれたのよ。という母親の言葉に、確かに仕事が忙しく普段はコンビニ飯と外食で乗り切っているという母親に使い切るのは無理だろう。とミサキは納得したが、自分とおばあちゃんの二人暮らしでも使い切るのは至難の業だが? とミサキが心の中で突っ込んだのも事実である。

 しかも数ヶ月後にはミサキも高校に通うため島を出ることを考えれば絶対に使い切ることはできない。

 そのためお徳用サイズの粉末調味料は寮に持っていって食堂で使ってもらうのが一番だと考えて、ミサキは開封せずに置いておいた。

(二人が大丈夫なら、これ持っていってもらっても良いよね?)

 いつ元の世界に戻れるかもわからないのだから、このまま賞味期限が切れるかもしれない状態に置いておくよりはは良いだろう。ただし味の確認は必要だと、普段使っている通常サイズのをミサキは自分の皿のリゾットに振ってみる。


(うん。食べ慣れた味)

 玄米の野菜たっぷりリゾットは、いつかどこかで食べたことがあるような味になった。


「二人もかけてみる? かけ過ぎると塩辛くなるから気をつけてね」


 ミサキの言葉に恐る恐るかけた二人は、一口食べた後、歓喜の叫びをあげた。

「うまい!!」

「さっきまでのと違いすぎる!!」


 塩と胡椒をベースにしたお徳用サイズの粉末調味料の行き先が決まった。





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