#137 番外編 MOON-ほしへ- ⑤
1945年 第二次世界大戦終戦
小さき島国『日本』が圧倒的技術力を見せつけて
大国をねじ伏せ勝利を成しえた
その陰で、己の過信により敗れた大国『ドイツ』
戦後の協定によってその国は4つの国『ソ連』『イギリス』『フランス』そして『日本』の
管理下へと置かれることになった
やがて国は二つの勢力に翻弄された
そんな中、この国は壁によって東西に二分されてしまった
多くの家族がバラバラとなり、友人・知人とも引き裂かれた
そしてこの後に壁を越えて越境しようとした者が次々と射殺されるなどの悲劇が生まれた
その裏で、大国や世界に己の国の復権を目論む者によって
この国はその壁と共に分厚い闇へと覆われていく
その一端を握っていた『ロシア』
人の中にある未知なる能力
中にはそれを認知して共用する者も居る
その者たちのように、何処からと収集され実験台にされた者たちは
その存在を、認められるはずもなく秘密裏に処分されていった
圧倒的武力を持つ『大国』という支配者の手によって
風が吹いている・・・・・・
今夜は、吹雪になると言っていた
暖炉に火をくべなきゃいけない
ただでさえ降り止まない雪、それが酷くなる前に
部屋を暖かくしなきゃいけない
「マーシャ・・・」
部屋を見渡し彼女を探す
「マーシャ、何処なの?」
自分以外に誰も居ない部屋は、冷たく張りつめている
ベッドから起き上がり彼女を探そうとする
「!?」
いきなり地面へと打ち付けられた
冷えた床が肌に刺さる
思うように動けない
一体どうしたというのだろう
「・・・・・!」
言葉も声にならない
自分に何が起こっているのか理解できない
うつぶせになったまま、少しでも動こうと試みる
しかし、身体はその意思に応えることは無かった
ここはどこなのだろう?
私はなぜこんなところに居る?
そして最も重要な事
『彼女は何処に居るのか?』
状況が解らない
確か、私はマーシャと一緒に・・・
記憶に飛び込んできたのは『炎』
紅く燃え、崩れ行く施設
そして、飛び込んできたのは
地面に打ち捨てられる様に倒れている『みんな』
「・・・おにげ・・・なさい」
先生の言葉
「つきの・・・!」
闇の中に響く声
「マーシャ!!?」
声が出た
それと同時に記憶が蘇る
私は、私たちは、逃げ出したんだ
全てが、燃えて消えていくあの場所から
ゆっくりと体に感覚が戻るのが解る
両手に力を込めて自分の体を起こす
「起きたのか?」
部屋の扉を開け現れたのは、一人の女性
「・・・・・・」
私を見つめたまま、その手を伸ばしてきた
「ようこそ、日本へ」




