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トラブルメイカー -To Love Maker-  作者: TAMA-RUN
133/167

#133 番外編 MOON-ほしへ- ①

忘れないで―


空に月が輝くように

あなたの心が、曇らぬように


たとえ、どんなに離れていても

たとえ、その手に触れることが無くても

私は、あなたを想ってる


想い出さないで―


それは、全て夢の中

それは、叶わぬ願いなのだから


雪が降っている

遠く離れた異国の地


止む事の無くなった、雪降る大地で私は育った


いつのころからか、その国は冬の寒さに閉ざされていた

かつては栄華を誇り、世界の中心に輝いていた国


だが、かつて起こった世界大戦での敗北

その敗戦からか、全てから目を逸らし閉じ籠った国


「今日から、あなたは此処で暮らすのよ」

小さな手を引かれながら私は周りを見回した


広くて、殺風景な場所

その中央には、テーブルがぽつんと一つだけ置かれている


よく見ると、他にも数人の子供がいる

きっと私と同じように連れてこられたんだろう


「おかあさま?」

傍らに居る女性に尋ねる


「大丈夫、あなたならきっと出来る筈よ」

しゃがみこんで私の頭を優しく撫でてくれる


「あなたは、私の子・・・」

真っ直ぐに見つめてくる


「だから、きっと成功すると信じているわ」


強く、強く抱きしめる

その温もりを忘れぬように

その姿を忘れぬように


「どこへいくの・・・?」


気付いたのかもしれない

けれど、それを告げることはできない


「・・・・・」

何も言わずその部屋を後にする


その日の夜、私は知った

これからは独りなのだという事を


悲しいはずなのに涙は出なかった


「良い子にしていれば迎えに来てくれるかな・・・?」

誰にでもなく呟いた


静かに降る雪の隙間から

大きく輝く満月が観えた


月にお願いすれば叶うかな?

おかあさまと、もう一度会えますように・・・


月は、ただ輝く

雪降る大地を照らしながら

その姿で、全てを優しく見つめるように


それは、優しき母の瞳のように






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