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トラブルメイカー -To Love Maker-  作者: TAMA-RUN
132/167

#132 ワールド・オーダー

その日、新たな世界が生まれた―


だが、それによって未来が変わるのかというと

それは『否』と言っていいだろう


世界は常に生まれていく


それは、その世界を共有した者の数だけ生まれていくのだ


「ご苦労さんやったな」

闇の中声が響く


「これも一つの結末でしょうか?」

「せやな」

持っていた本を、パタリと閉じる


「でもな、一度迎えた結末は変わらへんのやで」

「だからこそ『彼ら』のような存在が必要なんです」


幾重にも重なる世界

一つの分岐点から、さらにそれらは広がっていく


その世界を認識し、渡り歩く存在『導く者』

その世界を確定し、留まり支える『護る者』


どちらも世界には必要な存在だ


「アンタの息子はどうなんや?」

飄々とした彼、唯一のアキレス腱


「十分に、その役目を果たしている筈ですが?」

極秘であるこの仕事なのに、家族を持っているという特異さ

それ故、こういった繋がりには過剰ともいえる


「本人に自覚は無いみたいやで?」

そのくせ、結果は出してしまう


「それでこそ、ですよ」

満足気に言い切った


「で、合格なんか?」

確証を突く


「まだまだ、です」

「認めてるんやないんか!?」

思わずツッコむ


「彼は、肝心な事が出来ていない」

「肝心な事?」

いつになく真面目な顔


「鈍感なんですよ、彼」

そこが『らしい』んですけどね


「そやね・・・」

前に逢った時のことを思い返す


他の誰かの事に関しては、的確なのに

自分の事に関しては、無頓着なほどだ


「そのことが、彼に大きな試練をもたらす」

「それはいずれ世界そのものを苦しめる」


「あっちの彼はどうなん?」

あらかさまに話題を変えた


「彼は『覚悟』を力にすることを知っています」

「『諦めない意思』やね」


彼が持つのは大事な人を、想う心

それによって生まれる強い絆


「彼もまた、世界に無くてはならない存在です」

「でも、そのせいでケンカすることもあるんやで?」


そしてそれは、いずれ来る黄昏を生み出すことになる


でも、今はまだそれを知る必要なんてない

彼らはまだ、この世界に生きる


この世界で大事なものを見つけるために

そこに居るのだから・・・


また一つ、生み出された世界

その世界は、次なる未来を生み出す


いずれその世界の扉も開かれる事になる


今はただ、この世界の未来を

新たに生まれた結末を、見守ってほしい


それがどんな結末だとしても

彼らは、そこに向かうしかないのだから


「では、逢いに行ってきます」

「久々の再開や、存分にな」


言い終わるまでもなく彼はその姿を消した


「素直じゃないのは親子やな・・・」

思わずほくそえみながら呟いた



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