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トラブルメイカー -To Love Maker-  作者: TAMA-RUN
127/167

#127 ボーイ・ミーツ・ガール 11

「アイツ」


不意に口を突いて出た言葉

それが誰の事なのか分からない


でも、そいつは確かに『居た』はずなんだ


自分の掌をじっと見つめる

その手は、確かに『アイツ』の温もりを知っている


「優ちゃん・・・?」

真由美に呼ばれて思考が現実に戻る


教室にはほとんどの生徒は残っておらず

俺たちを入れても、ほんのわずかな生徒が帰り支度をしているだけだ


「今日の優ちゃん、なんか変だよ?」

「そうか?」

「そうだよ・・・」

少し怒った様子でつぶやいた


「おまえさ・・・」

「なに?」


朝から感じていた違和感


「何かが足りないって気がしないか?」


それは、ずっと傍にあって当たり前に思っていた筈のモノ


「ん~・・・?」

言われて考え込む真由美


「お待たせしましたぁ~!」

「ひさしぶり」


しばらく考え込んでいると蘭と月乃が、現れた

妙に、時間に正確な彼女たちに思わず笑ってしまっていた


午後の夕暮れの時間、18時

俺たちは卒業を間近に控え、学校で顔を合わせる機会は殆ど無くなっていた


そんな中、真由美が『みんなで遊びに行こう』と提案してきたんだ


「痴話喧嘩?」

言うに事欠いてそういうこと言うのが月乃


「仲良くしなきゃダメですよぉ~!?」

子供をあやすように、俺に訴える


「別に喧嘩なんかしてねぇよ」

呆れながら応える


「本当ですかぁ?」

なぜか真由美に尋ねる蘭


「うん・・・」

しかしその返事は、こころともない


「ほらほら!遊びに行くんだろ!?」

沈みかけた場の空気を払うように大げさに言ってやる


「どこ、行くの?」

月乃の手には、スポットマップ


「どこが良いですかね?」

「みんなで騒げるとこが良い!」


上手いタイミングで、場が賑やかになってくれた

折角、みんなと遊びに行くんだしな


「とりあえず、アソコか・・・?」

視線の先には、大きなアミューズメントスポット

平たく言えば『ゲーセン』だ


「行くとするか」


早速、賑わうその場所へと歩みを進める


「って、ちょっと待てよ!?」

「なんだ居たのか?タケル」


息を切らせながら、さっきから何やら喚いていたのだが

あえて無視していたわけだが


そこは、いつもの展開である


「最近、なんか風当たり変わってないか!?」

「気のせいだろ?」

決して、人気が取られてるとか思ってないぞ?


「委員長はどうしたんだ?」

ハルカの事についても一応聞いておく


「どどどうしったって!??」

なぜ、挙動不審になる・・・


「誘わなかったのか?」

「リハーサルなんだと」


委員長こと『田村春香』は

人気絶頂のアイドルユニット『フォーシーズン』の一員である

それでいて、学業と活動を両立しているのだから恐れ入る


ちなみに、タケルとは浅からぬ縁がある

もっとも、二人は否定しているのだが・・・


「ま、元気出せよ」

タケルの肩を叩いて言ってやる


そんな俺たちの前を、誰かが通り過ぎていった

長い黒髪が風にひらめいて、ほのかに良い香りがする


「今のは・・・?」

思わずその後姿を追う


俺の中に何かが、引っかかっていて

それがだんだんと大きな違和感に変わっていく


俺は、大事な何かを思い出せないでいた



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