#123 ボーイ・ミーツ・ガール 7
さすが休日!!
見渡す限り、人の波!
この街、唯一の駅前は人で溢れ返っていた
「すごい人だねぇ・・・」
「まぁ、冬休みだしな」
二人して、半ば呆れ返る
あの日の夜
コイツは再び、俺たちの前に戻ってきた
俺は、理由も聞けず
ただ再び、これまでの生活に戻れることに安堵していた
たとえそれが、現実ではない偽りの中のものだとしても
「お願いがあるの・・・」
いきなりそんなことを言い出す
「な、なんだ・・・?」
潤んだ瞳の前に戸惑う
「デートしよ!」
満面の笑みで、言い放つ
「はぁ!?」
脈絡もない展開に、思考が追い付かない
「いいでしょ?決まり!!」
そう言って、当たり前のように俺たちの家へと戻っていく
さっきまでの病院での出来事が、無かったかのような物言い
第一、コイツは今まで何処に居たんだ?
真由美や俺を、こんなに心配させて・・・
が、それもまたコイツだという事に納得してしまう
それよりも、いつもの日常が戻ってきたんだと
ほっと胸をなでおろした
「真由美には後で、電話しとくか・・・」
彼女の後を追って、家に入ろうとした瞬間思い出す
「あ・・・母さんに紹介しとかないと・・・」
-真白さんの居場所が分かったので、とっ捕まえてきます-
肝心の母さんは、そこにおらず
そう書かれたメモ用紙が、リビングに残されていた
「なんだ、そりゃ・・・」
そう言いながらも、なぜかほっとしている自分に苦笑いする
とりあえず、真由美に連絡を入れようとスマホを取り出す
が、時刻を見れば既に深夜近い時間が表示されていた
「明日にするか・・・」
そう呟きながら俺は、今日一日の目まぐるしい出来事に疲れを感じ
そのまま、眠りに落ちていった
「どしたの・・・?」
「おわっ!?」
昨日の事を思い返していたら
いつの間にか目の前に、彼女の顔がのぞき込んでいた
「な、なんでもねぇよ」
言いながら先に歩き出す
「せっかく心配してやってるのにぃ~」
頬を膨らませながらぼやく
(心配してたのはコッチだっての)
心の中でぼやく
「で、どうすんだよこれから?」
急に決まったことなので、予定なんか立ててはいない
「ん~・・・」
人差し指を口元に添えながら考え込む
「とりあえず、歩こ!」
そう言って俺の手を引っ張り歩き出す
「おま、さては何も考えてないだろ!!?」
急に引っ張られて、転びそうになりながらも体勢を立て直そうと踏ん張る
「んきゃっ!?」
「なに!?」
結局、お互いバランスを崩してひっくり返るように転ぶ
「ぐは!」
彼女の重圧が、俺に圧し掛かる
「あはははは!」
なぜか笑い出す
「って、恥ずかしいからさっさとどいてくれ!!」
馬乗りにされた状態で叫ぶ
周りの視線が、痛いように刺さる
「あはははは!」
「いつまでわらってんだよ!?」




