#122 ボーイ・ミーツ・ガール 6
夢は、いつか覚める時が来る
どんなに怖い夢でも
どんなに儚い夢でも
どんなに楽しい夢だとしても
「あなたの夢は、いかがでしたか?」
誰かが、私に問い掛ける
「わたしは・・・わたしの夢は・・・」
ゆっくりと瞳を開く
その先に見えるのはどこまでも続く『白い闇』
その中に、ポツンとただ一人立っている
「・・・・・・」
息を吸い込んで、真っ直ぐに前を見る
「大切なものを、いっぱい・・・いっぱい見つけたよ」
悲しさを忘れさせてくれる、楽しい出来事
わたしに語り掛ける、たくさんの友達
輝きを放ち続ける、キラメキ
そのどれもが、わたしに無いものだった
そのどれもが、わたしの欲しいものだった
そして、わたしを受け入れてくれた『アイツ』
わたしは、そんな『アイツ』に引き寄せられるように出逢った
『アイツ』が見せてくれた、キラメキの毎日
たくさん騒いで
たくさんふざけて
たくさん笑って
たくさんの想いを知った
「楽しかったよ・・・」
こみ上げる感情に、口元が緩む
「ではなぜ、あなたは泣いているのですか?」
その問い掛けに、ゆっくりと首を横に振る
「知ったから・・・」
伝う涙が、霧のように散ってゆく
「その楽しさが『嘘』だという事に」
結局それは、幻でしかない
本当のわたしは、現実から逃げ出した
自分で、進むことの出来ない『未来』から
自分で、背負っていた『過去』から
「では、悲しいのですか?」
再び、問い掛けの言葉
「悲しい・・・?」
ゆっくりと、首を横に振って応える
「悔しいの・・・」
わたしは、悔しいと思った
絶望と過酷な現実から、逃げ出して
わたしを支えていた家族から、逃げ出して
残ったのは、何も変わらない『現実』
生かされているだけの、機械に縛られて
生かされているだけの、体を横たえて
何もしないで、安易にそこから逃げ出した
そんな自分が悔しいと思った
「悔しい、ですか・・・」
わたしの応えに、考えを巡らしているようだ
「後悔、していますか・・・?」
更なる問い掛け
「後悔・・・?」
現実から逃げ出した事に?
そんな自分の弱さに?
みんなに、出逢った事に・・・?
「後悔なんてしないよ」
その言葉は、何よりも強く
わたしの心を揺さぶる
「だって、みんなと逢えたから」
真っ直ぐに前を見て応える
そう、わたしは自分の現実から逃げ出した
そして、『アイツ』と出逢い『みんな』と出逢った
そこには、もう一人のわたしも居た
自分の『過去』を探して
自分の『未来』を創り出した
キラメキを唄う翼を持った
『遥か遠く(みらい)』を唄い続けてる
諦める事無く真っ直ぐに、羽ばたいて飛ぶ
それは確かに、わたしの居た現実とは違う
でもわたしは、そこに居た
みんなと交わしたいろんな言葉と、暖かな温もり
それはわたしの中に刻まれた、確かなキラメキ
「良い答えです!」
光に見えたその笑顔は
どこか『アイツ』に、よく似ていた




