#120 ボーイ・ミーツ・ガール 4
「選びなさい」
「私と来るか、真白さんと行くか」
突如現れた、優気の母親『月真優良』
そして、迫られた選択
「来るとか、行くとか一体何言ってんだよ?」
いまいち話の意図が、解りかねる
「これからは、私たち『二人で』強く生きていくのよ!」
「二人・・・?」
これは、アレか?
この二人の『痴話喧嘩』の、とばっちりなのか!?
「さぁ!行くわよ!新しい新天地へ!!」
優気の手を取り駆けだす
「ちょ・・・何言ってんの!?」
必死にふんばって抵抗を試みる
「親父はどうすんだよ!?」
「シャラァァァァップ!!」
両手で、ほっぺを摘まむ
「言ったでしょ!?」
顔が近い
「『二人で』生きていくって!!」
潤んだ瞳で訴える
「だから!何でだって聴いてんだろ!?」
後ずさりしながら距離を開ける
「真白と、結婚して18年!」
結婚してすぐに、優気を身籠ったことになる計算のつもりなのだろうが
勿論、違う事を付け加えておく
「優ちゃんを産んだ後、いきなり2年の音信不通・・・」
優気の父親『月真真白』
職業『考古学専門の科学者』
どんなきっかけなのかは不明だが、突如として考古学界に
常識を覆す理論と共に、論争を巻き起こす
過去は、全ての始まりであり
未来は、全ての終わりを目指す
そして、終わりは新たな始まりを迎える
『無限輪廻理論』
その理論を用いて、様々な歴史的事象に介入説を説いてきた
当然、突拍子すぎて
それを認める者など居る筈もなかった
しかし、少なからずとも
それに賛同する者も居るのは、確かである
そんな理論を、自ら解き明かす為
彼は、世界中の遺跡を駆ける事となる
「よく、そんな親父と結婚なんてできたな・・・」
半場、あきれ気味につぶやく
「そこはアレよ! 私の魅力にイチコロだったのよ!!」
渾身のガッツポーズで、言い放つ
「そして私も、真白さんにイチコロだったんだけどねぇ~♡」
嬉しそうに頬を染める
「仲、良いんじゃねぇか・・・」
口に出さずにぼやく
「じゃオレ、ガッコ行くから」
未だに、身体をくねらせながら照れる母親を背に
そそくさと、その場を後にした
「優ちゃん・・・」
道路に差し掛かったところで、真由美に会う
「あ! オマエ、何で迎えに来てくんなかったんだよ!?」
おかげでエライ目にあった、と言おうとしたところで
真由美の様子がおかしいことに気付く
「どうした・・・?」
「ゆうきちゃんが・・・ゆうきちゃんが・・・」
肩を震わせながら、必死に言葉を続けようとする
ふと、真由美が手にしたメモを手に取る
そこには、とある病院の住所が書き留められていた
「・・・・・オマエ、まさか?」




