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モンスターお役所~モンスターさんたちにも生きる権利はあると思うんです~  作者: リラックス夢土


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54 争いの理由




 次の日私は妖月様の運転する車で妖月様と外出した。

 車は街の中心地に向かう。

 そしてある大きなお屋敷の前で停まった。

 大きな門がありそこには門番のように大きな身体をしたモンスターさんが警備をしていた。



 ここが氷火様のお屋敷なのかな?

 妖月様のお屋敷よりもめっちゃ大きいんですけど!



「妖月だ。氷火に会いに来た」



 妖月様が門を警備するモンスターさんに言うと門が開き妖月様は車で門の中にまで入り込む。

 そして屋敷の玄関と思われる場所に着いた。



「降りよ、美音」


「は、はい。妖月様」



 私は慌てて車を降りた。

 屋敷内から使用人らしき人が何人か出て来た。



「お車はこちらで預かります」


「うむ。頼む」



 妖月様は車の鍵を使用人の人に預けた。



「妖月様。ここが氷火様のお屋敷ですか?」


「ああ。無駄に大きい所は私の屋敷と変わらん」



 妖月様はそう言って勝手に玄関から屋敷内に入る。

 使用人たちはそんな妖月様に慣れているのか誰も何も言わない。

 妖月様は屋敷内の造りを知っているようで長い廊下を進みどんどんと奥に入って行く。

 そしてある部屋の前で立ち止まった。



「氷火。妖月だ。入ってもいいか?」



 妖月様は扉を叩きながら声をかける。



「どうぞ」



 部屋の中から入室許可の声が聞こえた。

 この声は氷火様の声だ。

 妖月様が扉を開けて中に入り私もその後に続いた。



「やあ、ようこそ我が屋敷へ。美音ちゃん」


「失礼します。氷火様」



 氷火様は銀色の瞳を私に向けて微笑んだ。

 私は氷火様に頭を下げて挨拶をする。

 氷火様はこの街の「王人」であり「最強」のモンスターさんだ。

 失礼なことをして怒らせてしまったら妖月様にも迷惑をかけてしまうかもしれない。



「用件は話しておいただろ。美音に人間とモンスターの歴史を教えてやりたい」


「ああ。そうだったね。まあ、二人ともまずは座りなよ」



 氷火様は自分が座っていたソファの向かい側のソファに座るように言った。

 私も妖月様もその言葉に従ってソファに座る。



 妖月様は氷火様の屋敷に人間とモンスターの歴史に関係する物があるって言ってたけどそれは何なんだろう。



 私は部屋の中を見渡すが応接室のような感じで特に何か変わった物は置いてないようだ。



「美音ちゃん。妖月から聞いたけど美音ちゃんは人間とモンスターが「共存」するかもしくは「争わない」で済む方法があるんじゃないかって考えているのかな?」



 氷火様は銀色の瞳を細めて私に尋ねた。

 私は氷火様に見つめられただけで背筋がゾクリとする。

 思わず逃げたくなるがグッと堪える。


 人間とモンスターさんたちが争わないで済む方法があるなら教えて欲しい。

 だって私はこの世界に来てモンスターさんたちも人間と変わらずに「心」を持ち自分たちの家族や仲間のために働いて生活していることを知っている。

 そして他種族が争わないために厳しい「ルール」をモンスターさんたちは守っている。

 それなら「人間」も一つの「種族」としてお互いに「ルール」を守れば争わないで済む気がするのだ。



「はい。モンスターさんたちは他種族同士が争わないように「ルール」を守っています。それなら「人間」も種族の一つと考えて「ルール」を作れば争わなくて済むのではないかと思うんです」



 私は自分の考えを氷火様に伝える。


 

「なるほどね。「人間」という「種族」か。美音ちゃんはなぜ人間とモンスターが争っているか知ってるかい?」


「え? 争いの理由ですか?」


「そう。そもそも何で「争っている」のかってこと」



 私は考える。



 人間とモンスターが争い出した理由は何だろう。

 確かにモンスターさんたちは見た目が怖いし「特殊能力」もある。

 今から50年前にダンジョンで人間界とモンスター世界が繋がってから「争い」は続いているがなぜ争っているのかを学校では習わなかった。

 ただモンスターは「危険」だとしか。



「人間は自分と「異質」なモノを嫌うことがあるのでダンジョン内でモンスターさんを見た時に見た目でモンスターさんたちを「怖い」とか思ったり特殊能力を「危険」と思ったのでしょうか?」



 私は思いついたことを言ってみた。



「まあ、確かに「人間」は「自分と違うモノ」を排除したがる傾向にはあるよね。確かに50年前にダンジョンで二つの世界が繋がった時はそれも原因だったかもね。でもね、「人間」が元々何だったか美音ちゃんは知ってるかい?」



 え?「人間」が元々何だったか?





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