46 ハコリン荘到着
私がハコリン荘に行く前に職場でいろいろ準備しているとミツールさんが慌てた様子でやって来た。
「大変だあ! 汚職で職員が捕まったってさ!」
「まあ、本当なの? イヤになるわねえ」
ミツールさんの言葉にキョウカ主任が顔を顰める。
ああ、妖月様と氷火様が言っていた「汚職事件」の職員が捕まったんだね。
でもミツールさんは自分が捕まったわけではないのになんでこんなに慌ててるんだろう。
「汚職があるとこの係に関係あったりするんですか?」
「そうか、美音さんはまだ知らないんだね。モンスターお役所で汚職があると全職場に「再点検命令」が出されるんだよ」
「再点検命令?」
「そうなんだ。他にも同じ汚職や経理事務で不正がないか専門の係が全ての係にやって来て調査するんだよ」
へえ、そうなんだ。汚職が一か所で起こると役所全体が調査されるってことか。
「その調査って大変なんですか?」
「うん。全部の書類はさすがに調査できないから最初に専門の係がどの書類を見るか通達が来るんだ。だけどその他の書類もその「検査官」が言われたらすぐに見せられるように準備しておかないといけないから大変なんだよ」
「そうなんですね」
「再点検の日取りは後日発表されるからその時までに書類を完璧にしておかないと。ああ、これから忙しくなるよ」
ミツールさんは迷惑そうな表情だ。
係の仕事が大変な時に私は「出張」に行っていいのかな。
「ブオン係長。私は「再点検」の仕事を手伝わなくていいでしょうか?」
「ああ、再点検の日取りはまだ決まってないし、そんなにすぐにやるわけじゃないから美音さんは予定通りに「体験宿泊記」を完成させてくれ」
「分かりました」
ブオン係長のそう言われて私は自分の任された仕事に集中することにした。
必要な物を持って私はモンスターお役所からハコリン荘に向かって出発する。
『次の交差点を右に曲がってください』
妖月様に付けてもらった自動案内機の指示に従って私は車を運転した。
モンスターお役所のある街を抜けると周囲は自然が多くなり草原の中の道路を私は走らせる。
車で走ること約二時間。
私はハコリン荘がある町に着いた。
町にはお店とかもたくさんあるし観光客かなと思われるモンスターさんたちが歩いていたりする。
私はハコリン荘に着いた。
車を駐車場に入れる。
私は自分の荷物を持ちハコリン荘を見る。
ハコリン荘は5階建ての保養所だ。
そこへ一人のモンスターさんが近付いて来た。
クチバシのような口と翼があるモンスターさんだ。
「失礼ですが美音さんではないですか?」
あれ? 私のこと知ってるならこの人が所長さんかな。
「はい。そうですが」
「やはりそうですか。私はハコリン荘の所長のレナルドと申します」
「あ、よろしくお願いします」
私はレナルド所長に頭を下げた。
やっぱりハコリン荘の所長さんかあ。
「いえいえ、とりあえず職員には美音さんが何者かは言ってないので普通にチェックインして宿泊を楽しんでください」
「分かりました」
そう言ってレナルド所長はどこかへ行ってしまう。
私はハコリン荘の中に入ると広いロビーがあってフロントがある。
「すみません。予約した美音ですが」
「美音様ですね。今日から10日間の予定でお間違いないでしょうか?」
「あ、はい」
「料金は前払いとなっております。金貨6枚になります」
10日間泊まって金貨6枚かあ。
安いような高いようなよく分からないなあ。
私はブオン係長から渡された旅費の中から金貨6枚を出して払う。
「ではお部屋にご案内します」
私は案内されて5階の部屋に行った。
部屋に入って窓の外を見るととても景色がいい。
これは良いポイントの一つだよね。
まずはこのハコリン荘の自慢の温泉の大浴場に入ってみようかな。
私は着替えの準備をして大浴場へと向かった。




