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モンスターお役所~モンスターさんたちにも生きる権利はあると思うんです~  作者: リラックス夢土


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42 高速道路の試験




 私の「公道」での車の練習は続いていた。

 今日も妖月様を助手席に乗せて練習中だ。

 そして今日は特別に私は緊張していた。


 「公道」での練習はそれほど難しくはない。

 だけど一番の難関が待っていた。

 「高速道路」の走行練習だ。


 本免許の試験でも必ず行われる「高速道路」の試験走行に対応するために今日は「高速道路」を走る予定で屋敷を出発した。

 妖月様の道案内で「高速道路」の入り口に向かって車は走っている。


 私の緊張はMAXになろうとしていた。

 なぜならモンスター世界の「高速道路」は最低でも150キロのスピードを出さなければならない。

 最高速度の200キロを出せなくても150キロ以下で走ったら試験は受からない。


 人間の世界にいる時に親戚の叔父さんに車に乗せてもらい高速道路で120キロ近く出したことがある。

 その時に叔父さんは言っていた「120キロぐらい出すとハンドルが取られやすくなるからけっこう怖いんだよね」と。

 少なくとも妖月様の運転でこの世界で160キロぐらいは助手席に乗って経験している。

 それでもかなりの重力がかかった。

 それにただ乗っているだけならまだしも自分の運転で150キロ以上出せるのか心配だ。



 もし事故を起こしたりしたらどうしよう。



 そんな私の様子に気が付いたのか妖月様が話しかけて来る。



「美音よ。緊張しておるのか?」


「は、はい。自分に150キロ以上出して車を制御できるか不安です」



 私は正直に今の気持ちを話す。



 だって事故を起こして私だけじゃなく妖月様までケガをさせたら大変だもん。



「よいか、美音。この車は250キロまで出しても耐えられるようにできている」


「?。はい、そうなんですね」


「まずはこの車を信頼せよ」



 え? 車を信頼する?



「車を信頼するんですか?」


「そうだ。人間界の車よりも性能が高く丈夫で安定した走りができるのがこの世界の車だ」


「え? そうなんですか?」


「……モンスター世界の車が人間界の車の性能に劣るとでも思うのか?」



 妖月様の低い冷たい声に私はブルリと身体を震わせながら答える。



「いえ! そんなことは思っていません!」


「よろしい。よいか、車は自分を信じる者の言うことをきくものだ」



 ええ!? それって乗馬する時とかの馬の話じゃないですか!?



 私は心の中で叫んだが言葉を飲み込んだ。



「いいな。車を信頼せよ」


「わ、分かりました!」



 馬と車じゃ違うような気がするけど、ここは妖月様を信じよう!



 車は高速道路の入り口から高速道路に入った。



「踏み込め! 美音!」


「はいーーーー!!」



 妖月様に大声を出されて私は思い切りアクセルを踏み込んだ。

 車はどんどん加速する。

 かなり身体に重力はかかるがスピードメーターの数字は170キロを表示していた。



 ひえーー!! こんなに出して大丈夫なのーーー!!



 私は必死になるが身体に重力はかかるものの車は高速道路を安定して走っている。



 まさか、本当に妖月様の言う通り、人間界の車と性能が違うの?



 疑問は浮かぶが妖月様は満足そうな声で言う。



「そうだ。やればできるじゃないか、美音。その調子で本番も頑張れ」



 なんか妖月様に褒められると大丈夫な気がしてくる。

 そしてその日の練習が終わり私は本免許の試験の日を迎えた。




 試験当日。行われるのは「実技試験」のみだ。

 ゴラム教官を助手席に乗せて私は指定された「公道」のコースを走る。

 なんとか街中を走り抜け、最後の高速道路の試験になる。



 大丈夫、大丈夫。自分の車を信じていれば大丈夫。



 私は呪文のような言葉で自分に暗示をかける。

 そして高速道路に入った。

 その瞬間、先日の妖月様の声が頭の中に響いた。



『踏み込め! 美音!』



 はい、妖月様!



 私はアクセルを踏み込みスピードを出す。

 練習の時と同様に170キロまで出せた。

 その後に高速道路を降りて教習所まで戻ってきた。


 ゴラム教官に挨拶をしてゴラム教官の言葉を待つ。

 本免許の合否はすぐに教官から発表されるからだ。


 ゴラム教官は私を見た。

 私はゴクリと唾を飲み込んだ。





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