27 初スキー
ベル荘の中は広々としている。
私とキョウカ主任は自分の荷物を今夜自分たちが泊まる部屋に一度置く。
部屋は大きなリゾートホテルみたいな部屋でツインベッドが置いてある。
キョウカ主任と同部屋ということだね。
その後にテラン所長は保養所の中を案内してくれた。
食堂や娯楽室などがある。
そしてベル荘の特徴でもある「温水プール」を見せてくれた。
今の時間は宿泊客が少ない時間なので「温水プール」で泳いでいるモンスターさんは数人だった。
「この温水プールはなかなか評判良くてね。スキーとかした後に入ると気持ちいいんだよ」
へえ、これだけ大きな温水プールなら家族連れでも楽しめそうだね。
私とキョウカ主任は一通り建物を案内してもらってから本来の出張の目的である備品のチェックを始めた。
「備品というのはね。金貨5枚以上の価値のある物品のことよ。それがこのリストに載っているわ」
キョウカ主任はリストの紙を私に渡す。
金貨5枚以上の物品を備品って言うんだね。
それより安い物品はチェックしなくていいのかな。
「キョウカ主任。備品以外の備品より安い物はチェックしなくていいんですか?」
「ええ、そうよ。それらは消耗品として扱われるから保養所で勝手に購入して捨てるのも自由なの。でも備品は高価な物品だからちゃんと管理して廃棄する時も廃棄する文書を作成して上司の許可が必要なのよ」
なるほど。そうやって物品は管理されているんだね。
私とキョウカ主任は手分けして備品のチェックをする。
なんとかリストに書いてある備品は全部確認できた。
「これでいいわね。予定より早く終わったからスキーでもしない? 美音さん」
「え? スキーですか? 出張中にスキーをしていいんですか?」
「今回は美音さんにベル荘がどういう所か知ってもらうのも兼ねているから大丈夫よ」
「そうですか。でも、私はスキーをしたことなくて」
「だったら私が教えてあげるわ」
そして私とキョウカ主任は近くのスキー場に向かった。
スキーに必要な道具はベル荘で借りた。
スキー場に行くとたくさんのモンスターさんたちが滑っている。
明らかに子供だと分かるモンスターさんも楽しそうに滑っている。
あの子供モンスターさんも滑れるなら大丈夫かな。
キョウカ主任はまず私に転び方を教えてくれた。
スキーは足をスキー板に固定してるから変に転ぶとケガの元になるらしい。
30分ほどキョウカ主任からレッスンを受けて少し高い所から滑ることになった。
う~ん、やっぱり怖いなあ。ゆっくり滑って行こう。
するとキョウカ主任は私の背中を強く押した。
「女は度胸よ! 美音さん!」
私は猛スピードで滑り降りる。
ひえええ!! 助けてええ!!
その私の後をキョウカ主任が滑って来た。
「美音さん。ブレーキのかけ方を思い出して!」
そうだ! え~と、足に力を入れて。
私はなんとか無事に滑り降りることが出来た。
う~、なんか足腰が痛いんですけど……
「なかなか上手よ。美音さんは才能あるわよ」
「そ、そうですかね」
「私は上級者コースを滑って来るわね」
「あ、はい。私は休憩してます」
キョウカ主任は楽しそうに上級者コースの方に行ってしまった。
やっぱり冷鬼族だけあってスキーとか得意なんだなあ。
私はそう思いながらキョウカ主任が滑り終わるのを待っていた。




