24 飛行モンスター会社
「美音さんに行ってもらいたいのはベル荘なんだ」
「ベル荘ですか?」
え~と、ベル荘って寒い地域にあってスキーとかできる所だったよね。
私はベル荘の特徴を思い出す。
「美音さんは初めての出張だから今回はキョウカ主任と行ってきてほしい」
キョウカ主任と一緒かあ。
一人じゃなくて良かったあ。
「それで私は何をすればいいんですか?」
「ああ、備品のチェックだよ」
「備品のチェック?」
「備品リストにある備品がちゃんとベル荘にあるかとのチェックとその備品が使えるかどうかの確認だ。使えない備品は廃棄して新しく購入する必要があるからね」
「分かりました」
「出張の細かい内容はキョウカ主任と打ち合わせてくれ」
「はい」
ブオン係長が席に戻るとキョウカ主任が来た。
「美音さん、出張は三日後よ。一泊二日の出張になるから準備しておいてね」
「はい。あ、あのベル荘にはどうやって行くんですか?」
モンスター世界には電車とかあるのかな。
「ベル荘は少し離れているから「飛行モンスター会社」を利用して行くのよ」
飛行モンスター会社って何だろう?
「飛行」ってくらいだから空飛ぶモンスターさんたちのことかな?
う~ん、キョウカ主任に聞きたいけどあんまり聞くと私がモンスター世界の住民じゃないとバレそうだから後で妖月様に訊いてみようっと。
「分かりました。ベル荘の周辺は寒いんですよね?」
「そうね。私は寒さに強いけど美音さんはちゃんと厚着した方がいいわよ」
「はい。そうします」
キョウカ主任は「冷鬼族」だもんね。
寒さには強いよね。
私はその日の仕事を終えて妖月様と一緒に屋敷に帰った。
そして夕飯の時に妖月様に訊いてみた。
「あの、妖月様」
「なんだ?」
「飛行モンスター会社って何ですか?」
「……なぜそんなことを訊くのだ?」
「実はブオン係長にキョウカ主任と出張に行くように言われたんです」
私はブオン係長に言われた出張の内容と行き先を妖月様に話す。
「ふむ。ベル荘か。確かに一番早く行くには飛行モンスター会社を利用するのが普通だな」
「そうなんですね。でも私は飛行モンスター会社ってよく分からなくて……」
「飛行モンスター会社はその名前の通り飛行モンスターを使って遠くまで客を運ぶ会社だ」
え? それって飛行機みたいなもの?
「空を飛ぶモンスターさんが空を飛んで運んでくれるってことですか?」
「そうだ。大型の飛行モンスターに乗って空を飛んで目的地まで運んでもらうのだ」
やっぱり飛行機みたいなモノか。
でも大型モンスターさんってどれくらい大きいんだろう。
「大型の飛行モンスターさんたちってどれくらいの大きさ何ですか?」
「モンスターの種類にもよるが一番一般的なのは竜族だな」
「竜族?ってここにはドラゴンさんがいるんですか?」
「……当たり前だ。モンスター解析書にもちゃんと竜族のことは載ってるはずだが」
妖月様は冷たい視線で私を見る。
すみません!まだモンスター解析書を全部見てないんです!
「すみません! まだ全部を見てなくて……」
「……まあ、よい。大型の竜になると全長は50メートルぐらいはある」
ひえ! そんなに大きいの? まるで怪獣みたい。
「じゃあ、その大型モンスターさんたちは普段はこの街には入れないですよね?」
「ん? そうだな。普段はこの街の隣りにある「大型モンスター専用エリア」で生活をしている」
へえ、そんなところがあるのか。
「初めての出張なら多少分からないことがあっても美音を人間と疑うこともないだろうから気にせず行って来い」
妖月様は私の不安が分かっているみたいだ。
妖月様ってやっぱり優しいよね。
「はい。頑張って行ってきます」
「よろしい」
よし! 初出張、頑張ろう!




