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モンスターお役所~モンスターさんたちにも生きる権利はあると思うんです~  作者: リラックス夢土


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20 高速道路




 私は妖月様と一緒に屋敷に帰り自分の部屋で雑誌を読んでいた。

 妖月様と遊びに行く場所を決めるためにもう一度本屋に寄って買った雑誌だ。

 雑誌には遊園地や水族館や夜景スポットなどの情報が載っている。



 へえ、この世界にも「遊園地」とか「水族館」とかあるんだね。



 私は日本にいた頃のことを思い出す。

 休日には友達とよく遊園地とかに遊びに行った。



 そうだ!遊園地に行こう!

 あ、でも妖月様は遊園地に行くようなタイプには見えないよねえ。

 断られるかな? でも私と遊ぶって約束してくれたし。

 言うだけ言ってみよう。



 そこへ界魔さんが「夕飯ができました」と声をかけてくれた。

 私は食堂に向かう。

 妖月様は既に席に座っていた。

 私の今日の夕飯は海鮮丼だった。



 うわあ、おいしそう。

 界魔さんが作ったんだよね?界魔さんって料理人でも生きていけるんじゃないかな。



「いただきます!」



 私は海鮮丼を食べる。



 うん、おいしい!



「ところで明日行く所は決まったのか?」



 妖月様は相変わらず家畜の血を飲みながら私に訊いてきた。



「はい。明日は遊園地に行こうと思います」


「は? 遊園地だと?」


「はい。私は遊園地が好きなので」



 妖月様の瞳が険しくなる。



「……私に遊園地で遊べと?」



 妖月様の声も冷たいものに変わる。

 でもここで怯んではいけない。

 私は勇気を振り絞って妖月様に言った。



「私と遊んでくれるって約束してくれましたよね?」


「……確かに約束はした」


「私は遊園地で妖月様と遊びたいんです!」


「……」



 私が断言すると妖月様は無言になる。



 う~ん、やっぱりダメかなあ?



「……よかろう。約束は約束だ。遊園地でかまわない」



 やったあ!! 妖月様と遊園地で遊べるなんて夢みたい!



「ありがとうございます!妖月様」


「私は約束を破る男ではないからな」



 妖月様はそう言って家畜の血を飲む。



「では明日は遊園地に行くから朝食の後に玄関で待っておれ」


「分かりました」



 私は夕飯の海鮮丼をたいらげて自分の部屋に戻った。





 次の日に私は出かける準備をして玄関で待っていると妖月様がやって来た。

 昨日と同じようなラフな格好だ。

 そして妖月様が運転して屋敷を出発する。



「遊園地って遠いんですか?」


「そうだな。少し距離があるから高速道路で行くか」



 この街にも高速道路ってあるんだね。



 車が高速道路の入り口らしい所を通過した後にグンっとスピードを上げた。



 ひええ!! ちょっとスピード出し過ぎじゃない!?



「妖月様! スピード出し過ぎではないですか?」


「ん? そんなことはない。今のスピードはたかが160キロだぞ」



 ひゃ、160キロ!? 日本じゃ高速道路でもそんなに出したらダメだよおお!!



「高速道路って何キロまで出していいんですか?」


「最大で200キロだ」



 妖月様は平然とした声で答える。

 私は体がシートに押し付けられる感じになる。



「200キロって、この車はそんなに出るんですか!?」


「さっきからうるさいな。この車は最大250キロまで出せる。これぐらいの性能を持った車など普通だぞ」



 この世界はモンスターさんたちの世界だからモンスターさんたちの体の丈夫さで「ルール」とか決まってるのかな?

 でも人間の私には物凄い重力がかかるんですけど!



「妖月様! お願いですからもう少しスピードを押さえてくれませんか? 体が辛くて……」



 私の言葉に妖月様はチラリと私を見た。



「そうか。美音は人間だったな」



 そうです! 人間です! そのことを忘れないでくださーい!



 妖月様は少しだけスピードを緩めてくれた。

 車が遊園地に着いた時には私は既にヘトヘトになってしまった。



 う~ん、モンスターさんと人間の体の違いを教えられた気分だよお。





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