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モンスターお役所~モンスターさんたちにも生きる権利はあると思うんです~  作者: リラックス夢土


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17/61

17 妖月の運転




 私は自分の部屋に戻って自分が持ってきた荷物を見ていた。



 えっと。まずはもう少し服が欲しいよね。

 モンスターお役所では必ずしもスーツ着用じゃないみたいだけど、一応それなりに役人らしい恰好はした方がいいし。

 ミツールさんみたいに体が毛皮だったら服を着なくてもいいけど、私はそういうわけにはいかないもんね。


 後は生活に必要なモノはだいたい部屋にあるけど。

 そうだ!この街の地図を買わないと。

 地図があれば一人でも出かけられるもんね。

 毎回誰かに付き添ってもらうのは申し訳ないし。


 よし。これでとりあえず明日買う物は決まったから今日は寝ようっと。





 次の日に朝食を食べて妖月様との約束の時間の10時にお屋敷の玄関に行く。

 妖月様が少ししてやってきたけど思わず驚いた。

 いつものスーツ姿ではなく白いトレーナーに黒いズボンのラフな姿だったのだ。



 へえ、妖月様ってこんな格好もするんだね。

 でも何着ても似合うって羨ましいなあ。



「準備はできたか?」


「はい。妖月様」


「では、参るぞ」



 お屋敷の玄関の前には赤い車があったけど界魔さんとかはいない。

 妖月様は当たり前のように運転席に乗り込む。



 え? 妖月様が運転するの?



「早く乗らぬか!」


「は、はい」



 私は助手席に乗った。



「あの、妖月様は運転できるんですか?」


「……お前は相変わらず失礼な奴だな。当たり前だろう」


「でもいつも界魔さんが運転してたから」


「界魔にも休日を与えねばな。私の運転では不満だと言いたいのか?」



 妖月様の冷たい視線に私は首を横に振る。



「いえ。今日は妖月様に付き合っていただけて感謝します」


「……では出発するぞ」



 妖月様の運転でお屋敷を出発する。



「ショッピングセンターって近いんですか?」


「車だったら5分くらいだ」



 そうなんだ。便利な所にお屋敷ってあるんだね。



 車が大通りに出ると妖月様はスピードを出す。



 ひえ! こんなにスピード出して大丈夫なの?

 スピード違反で捕まったりしない?



「妖月様。スピード違反で捕まりませんか?」



 妖月様は前を見たまま答える。



「このぐらいのスピードでは違反にはならん」


「そうなんですね……」



 う~ん、この世界の法定速度って何キロなんだろう。



「ほら、見えて来たぞ」



 私が前を見ると大きな建物が見えて来た。

 車は駐車場へと入る。

 駐車場も広々としているし、人間の世界のショッピングセンターと外観はあまり変わらないが行き交う人たちはみんなモンスターさんたちだ。

 妖月様が車を停車して降りたので私もその後に続く。



「まずは何を買いたいのだ?」


「えっと。洋服を少し買いたいです。職場にも着て行けるような洋服は売ってますか?」


「スーツか?」


「いえ。スーツじゃなくてもいいんですけど……できれば安いお店で」



 あまり私はお金を持ってないから高価な洋服は買えない。



「ふむ。人型モンスター用の服売り場があるから行ってみるか」


「お願いします」



 私たちはショッピングセンターの中に入った。

 妖月様について行くと婦人服売り場に辿り着いた。



「いらっしゃいませ」



 店員モンスターさんが迎えてくれる。

 この店員モンスターさんも人型だけど短い角と尻尾が生えている。



「この娘の洋服を買いに来た。見せてもらっていいか?」


「はい。どうぞ」



 店員さんはにこやかスマイルで妖月様に頭を下げる。



「美音。選んでみよ」


「はい」



 私は綺麗に並べられた洋服を見てみた。




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