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モンスターお役所~モンスターさんたちにも生きる権利はあると思うんです~  作者: リラックス夢土


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16/38

16 週休二日制




 夕方になり昼の部の就業時間の終わりのチャイムが鳴った。

 私が自分の荷物をまとめていると界魔さんがやって来た。



「美音さん。これから妖月様もお帰りになられますので妖月様から一緒に屋敷まで帰るようにとの伝言です」


「はい。ありがとうございます」



 良かったあ。まだ妖月様のお屋敷の場所はちゃんと覚えていないんだよねえ。

 少しはこの街の地理を頭に入れないとだなあ。



 私は界魔さんの後について一度所長室に向かった。

 所長室には妖月様と副所長の麗華さんがいた。

 どうやら昼の部と夜の部の引継ぎをしてるみたい。



「では後はよろしく頼む、麗華」


「はい。所長。所長の可愛い娘さんが来たわよ」


「……私は娘など持っておらんわ」



 妖月様は麗華さんを冷たい目で見るけど麗華さんは気にしてないようだ。



 可愛い娘さんって私のことだよね?

 可愛いは余計だとしても妖月様って私ぐらいの娘がいてもおかしくない年齢なのかな。

 見た目は若い男の人だけど、そもそもモンスターさんたちがどのくらいの寿命なのか知らないしなあ。



「美音。帰る準備はできておるか?」


「はい。大丈夫です、妖月様」



 私は元気よく返事をする。

 妖月様は椅子から立ち上がり部屋の出口に向かう。



「では帰るぞ。美音」


「はい」



 私は妖月様とはぐれないように歩いてついて行った。

 役所の出入り口には既に界魔さんが運転する車が待っていた。



 界魔さんていつも素早く行動するけど凄いなあ。



 私と妖月様を乗せて車は走りだした。



「初日の仕事はどうだった?」


「はい。係の人に優しく教えてもらってます」


「そうか。明日と明後日は役所は休みだが美音は何かする予定があるのか?」


「え? 明日と明後日は休みなんですか?」



 私は今日から働き始めたので明日も普通に仕事だと思っていた。



「……本庁は週休二日制だ」



 へえ、そうなんだ。日本と似てるね。



「だが、一部の特別職の者は出勤するがな」


「特別職ですか?」


「主に技術系の職員だ。仕事を休むと一般モンスターたちに迷惑がかかるような仕事の者たちは毎日出勤して交代で休みを取るが私や美音のような事務系は5日働いたら2日休むのが普通だ」



 この世界にも土日があるってことかな。

 う~ん、まずはこの世界の生活に慣れることが大事だよね。



「それで予定はあるのか?」


「いえ。ないですけど……できるなら買い物をしたいなと思います」


「買い物? 必要なモノは界魔が揃えるが」


「自分の洋服とか日用品も買いたいのでどこか私でも行けそうなお店が近くにありませんか?」


「ふむ……」



 妖月様は少し考える素振りをしていたが再び話し出す。



「では明日は私と近くのショッピングセンターに行くか?」


「え? 妖月様とですか?」


「……私と行くのは嫌だと?」



 妖月様の瞳に冷たい光が宿る。



「いえ! 一緒に行っていただけると心強いです」



 そうだよね。まだ一人で街を歩いたことないから誰かと一緒にいた方がいいよね。

 私ってここにはいないはずの人間なんだもん。



「そうか。では明日の10時に出かけるからそのつもりで」


「はい。分かりました。それまでに準備しておきます」


「よろしい」



 妖月様に案内してもらうのはちょっと気が引けるけど仕方ないよね。

 それに何かあっても妖月様に頼れるし。



 車はいつの間にかお屋敷に着いた。





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