14 保養所の特徴
自分に与えられた席で私は保養所の資料を読んでいく。
まずはハコリン荘。四つの保養所の中で二番目に規模が大きくハコリン荘の周辺では温泉が湧き出ているらしい。
なのでハコリン荘も温泉を引いた大浴場がある。
子供連れで来てもいいように子供の遊び場も施設内にあるようだ。
付近には大きな湖もありそこに来る一般モンスターも多いとのこと。
ふむ。湖で遊べるのかな?
でも基本的にはハコリン荘は山の地域にあるのよね。
利用モンスターは年配のモンスターが一番多いらしい。
まあ、温泉入ってゆっくりできるなら年配モンスターに人気があるのも分かるなあ。
次はカワジ荘。
高台に建っていて景色がいい。
規模は大きくないが静かな環境で長期宿泊者が多い。
温泉はないが子供用のプールがある。
ふ~ん。景色がいいところでのんびりしたいモンスター向けって感じかな。
次はアツラ荘。
海まで近くて海水浴が楽しめる。
家族連れのモンスターの利用が多い。
施設に温泉はないが施設がある町の中には温泉施設が複数存在する。
う~ん。海が近いならメインは海水浴目当てのモンスターが多いよね。
子供だってきっと海は好きだろうし。
あ、でも炎の特殊能力を持ったモンスターは海は苦手かな。
最後はベル荘。
四つの保養所の中で一番新しい施設。
温水プールなどを完備していて山間にあっても施設内で遊べるタイプ。
スキーやそりなどの雪山体験もできる。
なるほど。寒いところが好きなモンスターさんにはいいかもしれないね。
私は一通り資料を読んだところでこっそりとモンスター解析書を取り出して保養所係のメンバーの種族を調べた。
えっと、ブオン係長は悪魔族かあ。
ちょっと顔は怖いしそんな感じもするかな。
キョウカ主任は冷鬼族かあ。
あの青い髪は確かに冷たそうな感じ。特殊能力が「冷気の炎」だもんね。
でも性格は冷たい感じは受けなかったけど。
ミツールさんも悪魔族かあ。ブオン係長とは同じ悪魔族でも姿も全然違うんだなあ。
だってミツールさんて体が小さいしもふもふ毛皮だから可愛い感じだし。
先輩に対して可愛いは失礼かなあ。
でも人間界にいたらみんながペットで飼いそうなぐらい可愛い見た目なんだよなあ。
とりあえずみんなの種族も分かったし保養所の資料も読んだし。
係のモンスターさんたちとはこれから仲良くすればいいよね。
うん、どうにかなるさ。
そこでチャイムが鳴る。
何のチャイムだろう?
「あ、もうお昼の時間か。美音さん、お昼ご飯持ってきた?」
「え? お昼ご飯ですか? 持ってきてないですけど……」
あのチャイムはお昼を報せる音なんだね。
「じゃあ、職員食堂に僕と行かない?」
「え? 職員食堂?」
「うん。安い値段でおいしい料理が食べれるよ。ちょっと混んではいるけど」
「あ、はい。じゃあ、ご一緒します」
「うん。それじゃあ、行こう」
私はミツールさんに誘われて職員食堂に向かう。
あれ? でも私の食べられる物ってあるのかなあ。
屋敷では界魔さんが料理してくれたけど。
妖月様は家畜の血だったし私もヴァンパイア族の亜種ってことだから家畜の血を飲まないとなのかなあ。
それはちょっと勘弁してほしいな。




