終章 勇者対魔王
「でぇぇぇぇぃ!」
勇者、セレスが斬りかかってくる。しかしまだまだ迷いがあるようで、その剣戟には揺らぎがある。
「どうした、勇者よ。そんなへっぽこでは我に傷一つつけれないぞ?」
「クゥッ……なんで、何でなのよぉっ!なんで私達が戦わなければならないのっ!何か理由があるんでしょうっ!」
「何を寝ぼけた事を。我は魔王であり、其方は勇者だ。合間見れば戦うが宿命。」
俺がそう言っても、セレスの心は揺れたままだ。
……仕方がないなぁ。
俺はパチンと指を鳴らす。
中空に大きな画面が浮かび上がる。
「何だ、これは。」
「いや、俺達のめくるめく暑い夜を皆に見てもらおうかと思ってね。」
そう言ってセレスの後ろで転がっている、剣士、僧侶、魔法使い、そしてマリアに視線を向ける。
彼女たちはセレスのパーティ仲間だ。
それだけに、恥辱の限りを尽くされたあの時の事を見られるのは、セレスにと手は辛いことに違いない。
画面には、縛られ動けなくなったセレスとマリアが映っている。
いやッと泣き叫ぶが、どうしようもなく純潔が散らされていく様を、その後も責められ続け、マリアと共に、嬌声を上げる様を、快楽堕ちして、雌犬のように浅ましくおねだりする様を、惜しげもなく映し出していく。
「やめろぉぉっぉっ!」
セレスの剣が空を切裂き、画面をかき乱す。
画面にはノイズが走り、何が映っているか分からない状態になっているが、それでも、音が消えることは無く、狭い室内に、セレスの嬌声が響いている。
「やめろと言っているっ!」
セレスが顔を赤らめながらも斬りつけている。
顔が赤いのは羞恥か怒気か……。
どちらでもいい、もっと怒れと俺は剣先を躱しながら、心の中で応援する。
しかし、ここまで見せてもまだ、心の奥底に俺を信じたいという気持ちが残っているらしく、剣筋は迷いでブレている。
まだ、ダメなのか……。
俺は心の中で舌打ちをする。
決戦の場としてあつらえた簡易ダンジョン。
その入り口に彼女が現れた時に、俺はわざわざ姿を見せ挑発をした。
そのかいあってか、再奥の間にまで彼女たちがやってくるのにそれほど時間がかかることは無かった。
俺は、彼女たちの前で、リノアを犯し続け、その惨状を見せつけた。お前達も、この戦いに敗れてこうなるのだ、と、いやというほど心に刻みつけたはずなのに……。
万が一の事を考えて近くに潜んでいるカナミとリノア。
彼女たちは、俺とセレスが一騎打ちに持ち込めるように、他のパーティメンバーを抑えるために居たはずなのだが、戦いが始まってみれば、何のことは無い、剣士は数撃打ち合った後スタミナを無くし、魔法使いは効かない魔法を連発して魔力切れ、僧侶も回復に努めていたが、やはり魔力切れで動けない。多少マシだったのはマリアだが、それでも俺に身体に傷一つつけることが出来ず、カウンターの一発でノックダウン。
戦闘が始まって数分後には俺とセレスの一騎打ちとなっていた。
そのセレスも、俺の挑発に乗るものの、俺を倒そうという気概が見えてこない。
「……お前が悪いんだぞ。」
俺はそう告げると、セレスの後頭部に剣を横にして叩きつける。
セレスはそれだけで意識を失った……。
◇
ここは……。
私が目を覚ますと、そこは見知らぬ場所だった。
周りから嬌声が聞こえてくる……ここはどこなのっ?
首を巡らせると、少し離れた場所で、女の子たちが、磔にされているのが見える。
メリル、カルラ、ロキシー……私が魔王討伐に行くと言った際についてきてくれた仲間たちだ。
その彼女たちが全裸で拘束され、その局部に何かをつけられている。
離れているためよく見えないが、そのつけられている何かが動く度に彼女たちは嬌声を上げ身もだえているのが分かる。
助けに行きたいが、私も拘束されているらしく身動きが取れない。
「お、起きたのか?」
私の意識が戻ったことを知って、彼が近くまでやってくる。
彼も全裸だ。そして彼の下腹部に顔を近づけ。奉仕しているやはり全裸の女の子……マリアだ。
好きでしているわけじゃない、無理やり奉仕させられているというのは、その瞳に溜まった涙が物語っている。
「な、何してるのっ!私達を開放してっ!」
思わずそう叫ぶが、彼は聞き入れてくるる感じはない。
「お前バカか?そんなことできるわけないだろ?」
「何でこんなことするの……ねぇ、何か訳があるんでしょ?」
私がそう訴えると、彼はさらに馬鹿にしたような笑みを浮かべる。
「お前は俺を殺せなかった。勇者は魔王に負けた。だから世界は俺のモノになるんだよ。」
彼はそう言うと指をパチンと鳴らす。
すると部屋の中空に無数のモニターが現れ、世界の景色を映し出す。
あるモニターには、焼け出され、着の身着のままで逃げ惑う農民たちの姿が、別のモニターには、異形の魔物たちに蹂躙される村の風景が、豚のような顔の魔物に組み敷かれ、凌辱される女たちの姿等々が、モニターに映し出されている。
「これが現状だ。お前が俺を殺すことを躊躇った結果だよ。そして……。」
彼は、マリアを起こし、私の目の前で犯し始める。
「こいつが、こうされるのも、お前のせいだ。」
「あ、ぁぁ……、姫様ぁ……。」
マリアは、すでに意識が朦朧としているのか、すでに快楽を求めるだけの人形となり果てている。
目の前に私が居るのを認めると、唇を突き出し、私の唇を求めてくる。
「何で、何でこんなことを……。」
私はもう、訳が分からなくなる。
彼と出会った時、魔王だと言った。
だけど、彼は気高く優しく、魔王とは遠くかけ離れた存在に見えた、そう、伝説の勇者様のように……、
だから、私は彼に憧れた、彼に恋をした。
豹変した彼に会い、無理やり純潔を散らされた時、嘆き悲しんだが、心の中では喜んでいる自分がいた事も自覚している。
彼は、私が予定通りに動かなかったから起こっているんだと思っていた。だけど、私の行動は世界を救うため。
訳を話せば、ちゃんとわかってくれると信じていた。
なのに……、何故?
何でこんなことに……。
私が思考の海に溺れていると、いつの間にか彼はマリアを離し、私の腰をしっかりとつかんでいた。
「えっ……ぁっ……。」
不意に激しい衝撃が私の身体を貫く。
「ぁんッ……やんっ……。」
知らず知らずのうちに声が漏れ出る……。
次第に快楽が体内を餉餉巡り、昇りつめ……、
不意に快楽が収まる……なんで?
みると彼は私から離れ、私に見せつけるようにマリアを可愛がり始める。
……なんで?どうして?
その後も、彼は思いだしたかのように私に刺激を与え、直前で止めてマリアを可愛がるという事を続ける。
……何でなの……もう、許してよぉ……なんでもいう事聞くから。私はどうなってもいいからぁ。
どれだけ訴えても、彼は刺激を与えて、寸止めをするを繰り返し、許してくれない。
いつの間にか私の右手には一振りのナイフが握らされている。
いつ、どうしてこのナイフを手にしたのかも覚えていない。
彼が体内に入ってくる。私は刺激を求めて体を動かすが、彼はそれ以上、私に刺激を与えてくれない。
もどかしくなって必死に体を動かそうとする。
その時右手が自由に動くことに気付く。
目の前には彼のたくましい胸……。
私は、何も考えず、右手を彼の胸へと突き立てた……。
◇
……ようやくか。
セレスの右手に握られたナイフが俺の胸に突き刺さろうとしている。
「ごめんな。」
俺はセレスのそう囁くと、ナイフを受け入れるようにセレスの身体を抱きしめる。
他の方法もあったのかもしれない……セレスもリノアも傷つけずに済む方法が……。
だけど、思いつかなかった。これは自分の未熟ゆえだと思う。
だから、すべてを受け入れ、最後ぐらいは……。
俺はセレスに最後の刺激を与える。……同時に、セレスの持つナイフが俺の胸に吸い込まれる。
セレスは、焦らされた末の刺激を受けて、そのまま声をあげて果て……俺は……。
光が溢れ、周りを包み込む……。
……。
……。
…………。
………そして、世界が弾ける。
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