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サクラとマサムネ異世界ほろ酔い漫遊記  作者: まほ。かんた。
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25/32

第25話 『禁酒教団の監視区域』

発泡湿地帯にて、ついに禁酒教団と再遭遇。

今回はジローと、新たな幹部・マジナノが登場します。


※お酒は20歳になってから。

※お酒を飲んだら乗り物の運転はやめましょう。

※楽しく適量で。

 泡立つ湿地帯の奥。


 無数の赤い目が揺れていた。


 「マジかよぉ……」


 サクラが顔をしかめる。


 「増えやがった……」


 しゅるり。


 しゅるり。


 泡沼を滑るように、


 複数のマムシュが近付いてくる。


 「囲まれてるぞ!」


 ジャックが銃を構えた。


 「毒は勘弁してくれよ……」


 まだ酒駄目波の影響中。


 今また毒まで受けたくはない。


 「しゃーねぇ」


 サクラが拳を鳴らす。


 「まとめて片付けるぞ」


 その瞬間。


 サクラが地面を蹴った。


 泡が弾け飛ぶ。


 長い桜色の髪が舞う。


 「はぁっ!!」


 ――ドゴォッ!!


 一匹目のマムシュが吹き飛ぶ。


 さらに振り向きざまの蹴り。


 泥水が爆発する。


 「強ぇなぁ……」


 ジャックが苦笑した。


 「相変わらず無茶苦茶だなおっさん♪」


 後ろでジンが笑う。


 「おっさん言うな!!」


 サクラが叫ぶ。


 だが。


 次の瞬間。


 足元の泡沼が大きく揺れた。


 「っ!?」


 別のマムシュが飛び出す。


 狙いは――


 カスミだった。


 「えっ!?」


 カスミが固まる。


 その瞬間。


 サクラが前へ飛び出した。


 「危ねぇ!!」


 そのままカスミを抱き寄せる。


 勢いのまま地面へ倒れ込んだ。


 ぼふっ。


 「きゃっ!?」


 カスミの顔が真っ赤になる。


 至近距離。


 桜色の長い髪。


 綺麗な顔。


 柔らかい感触。

挿絵(By みてみん)

 完全に美女だった。


 カスミは顔を真っ赤にする。


 「だ、大丈夫ですか……!?」


 だが。


 サクラ本人は別方向で焦っていた。


 「うおっ近ぇ!!」


 「ちょ、離れろ離れろ!!」


 女性扱いに慣れていない反応だった


 「おっさん完全に慣れてないじゃん♪」


 ジンが爆笑する。


 「うるせぇ!!」


 サクラが怒鳴った。


 その時だった。


 突然。


 ――バシュゥッ!!


 鋭い光が飛ぶ。


 一匹のマムシュが吹き飛んだ。


 「っ!?」


 サクラが振り向く。


 そこには、白い法衣の集団が立っていた。


 禁酒教団。


 そして先頭には――


 ジロー。


 「またお前か!!」


 サクラが顔をしかめる。


 ジローはサクラを見るなり、


 一瞬だけ視線を逸らした。


 「な、何故そんな格好で湿地帯へ……!」


 「いや戦闘中だぞ?」


 サクラが普通に返す。


 「その格好で酒飲みながら戦うな!!」


 「変身維持なんだよ」


 サクラは腰の酒瓶を軽く揺らした。


 すると。


 教団側の後ろから、


 静かな女性が前へ出る。


 赤メガネ。


 白を基調に、黒と金の装飾が入った法衣。


 そして冷たい視線。


 マジナノだった。


 「……ジロー」


 「知り合いですか?」


 「い、いえっ」


 ジローが慌てる。

挿絵(By みてみん)

 「ただの危険酒飲みです!!」


 「危険酒飲みってなんだよ」


 サクラが呆れる。


 マジナノは静かにサクラを見る。


 そして。


 ふっと目を細めた。


 「なるほど」


 「確かに危険そうですね」


 「失礼だな」


 サクラは普通に返した。


 その時だった。


 また別のマムシュが泡沼から飛び出す。


 「まだ居るのかよ!?」


 ジャックが叫ぶ。


 だが。


 次の瞬間。


 マジナノが杖を軽く振った。


 紫色の魔法陣。


 ――ドォンッ!!


 マムシュが一撃で吹き飛んだ。


 沈黙。


 「……強ぇ」


 ジャックが思わず呟く。


 マジナノは静かに眼鏡を押し上げた。


 「ここは禁酒教団の監視区域です」


 「勝手な採取行為は認めません」


 泡立つ湿地帯の空気が、


 ゆっくり張り詰めていく。


(第26話へつづく)

今回は禁酒教団側のキャラクター達が本格登場となりました。


酒飲み達と教団。

しばらく騒がしい攻防が続きそうです。

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