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黒と赤の二重奏(くろとあかのにじゅうそう) 第三部  作者: 青ちゃん
それでも君のことが好き
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11章-5(青の告白)


「伊藤さん。こんなときに言うのは

 本当は 言っていいことでは ないかも

 しれないです。

 

 でも でも 自分はもう我慢出来ません。

 自分は 何ヵ月も前から

 伊藤さんのことが 好きで 好きで

 どれほど思ってたか わかりません。

 それほど 伊藤さんは とても

 光り輝いていたし 今も変わらず

 輝いています。

 

 たとえ声が 手術して治らなくても

 それでも 好きな気持ちは

 変わりません。


 それほど 思っているし

 愛しているんです」


と 青山幸村が そこまで言うと

伊藤七は もっと大粒の涙を 流して

必死に なりながら こう言った。



「わたしは もうおしまいよ。

 誰にも必要とされず

 夢も希望も なくなって しまったのよ。

 

 だから 今のわたしは

 誰からも 愛される資格は

 ないんだわ」


と もう伊藤七は パニックと

混乱で 自分自身を取り乱していた。


そう 伊藤七は絶望で 自暴自棄(じぼうじき)

に なってしまっていた。


そう言われた 青山幸村は

「自分は 伊藤さんの病気は 必ず

 治ると信じているし 絶対に

 治ると 伊藤さんも信じてください。

 お願いします。

 手術を受けてください。

 

 伊藤さんの 色々な可能性は

 失われていないはずです。

 伊藤さんのことが 大好きな

 自分が 必ずどんなことがあっても

 支えるし 守っていきます。


 だから 信じてください」


と 言って 伊藤七の反応を

待ったのだった。


伊藤七は


「そんなこと言われても

 そんなこと言われても」


と 言うだけだった。


 青山幸村は そんな伊藤七が

こんなにも はかなけで

消えてなくなりそうな 気がした。


 自分の目の前から いなくなるんじゃないかと

錯覚(さっかく)に とらわれてしまった。


 そして青山幸村は 伊藤七がいとおしくて

どうしようもない 感情に

かられてしまったのだった。


突然 伊藤七に


「好きだ 愛してる」


と 言って顔を(おお)っている手を

どけて キスをしてしまったのだった。


 青山幸村の ファーストキスにしては

大胆で 青山幸村も伊藤七と

一緒に 涙を流してしまっていた。


 そんな青山幸村は キスって

涙と同じ味がするんだと

思ったのだった。


 


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