6章 6月の出来事
1 (青の耳鼻科の出来事)
青山幸村は アレルギー性鼻炎が
小学生の時から 発症していたので
定期的に 高校2年生の今でも
色々な耳鼻科に 通っていた。
それは6月の最初の土曜日の 高校の
休みの時に ある耳鼻科から 他の耳鼻科へ
変えようと思って その耳鼻科へ行くことに
なったのだった。
そして その新しい耳鼻科へ入った時に
よく知った顔を 見かけたのだった。
それは 伊藤七だったのである。
青山幸村は 声を かけずには
いられなかったので
「伊藤さん なぜここに なぜ耳鼻科になんか
いるんですか?
どこか 悪いのですか」
と 思わず 言ってしまったのだった。
伊藤七の方は 学校で見せる いつも
明るく 楽しげでいるのとは 全然
違っていた。
青山幸村に 声をかけられた時
とても悲しげで そして
目と目が合った時 思わず泣き出しそうな
顔になって 黙ってうつむいた
伊藤七がいた。
青山幸村は それを見て何か
大変なことに なってしまったと
思ったので そのまま その病院の中では
それ以上 声をかけるのをやめて
診察を受けて 受付で支払いを済ませて
すぐに 耳鼻科を出たのだった。
青山幸村にとって 衝撃的な
1日になってしまったので とても
伊藤七のことを 心配でその日は
なかなか 寝付けなかったのだった。