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クインテット。ナイツ  作者: 恵/.
O―貪る。ナイツ
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ご利益=あれば儲け物

「気が進まねえな……」

「仕方ないでしょ。他に行く所ないんだから」

 ぼやく狼と、それを宥める上風。本当にこの二人、傍から見ると仲のよい姉弟に見える。

「とりあえず、闇代がいないことを祈るか」

 狼は恐る恐る、といった感じで店の戸を開く。

「おかえりなさい」

「「わっ!」」

 戸のすぐ向こう側には、優が立っていた。

「驚かせんな」

「すいません」

 口では謝っているが、まったく悪びれる様子の無い優。狼はやや不服そうな目で優を見ていたが、無駄だと悟ったのか黙って店に入った。

「てかお前ら、そこで何してんだ?」

 店に入った狼は、店の中にいた面々に向かって呟いた。店の中には、下宿している闇代や一片は勿論、氷室や紗佐、戸沢までもがお茶を啜っていた。

「何って、闇代ちゃんに呼ばれたんだけど」

「闇代かよ……」

 氷室の答えに、狼は露骨に顔を顰めた。それを見た闇代は、大変不服のようだ。

「どうして嫌そうな顔するの?」

「こういう場合、絶対ろくなことがないからだ」

「酷っ!」

「そうですよ狼。今日は、私が皆さんを集めるように闇代ちゃんにお願いしたんですから」

「そうかよ」

 優に説明されるが、それでも狼は顔を顰めたままだった。また良くないことが起こりそうな、気がしたのだ。

「という訳で、これから皆さんにこれをお渡ししたいと思います」

 優は店の奥から籠を持ってくると、カウンターの上に置いた。

「なんじゃこりゃ?」

「お守りです」

 籠の中には、神社などで売っているようなお守り(のような何か)が入っていた。

「まさかとは思うが……、こいつらを集めたのはそれを配るためか?」

「はい、そうです」

 即答されて、どこぞの新喜劇よろしく倒れそうになる狼。

「あら、どうかしました?」

「いや、ここまであほな理由とは思っていなかっただけだ」

 あほって……。

「安心してください。狼の分もちゃんとあります」

「そんな心配してないから。てか、何でお守りなんだよ?」

「色々事情がありまして、このお守りをあちこちに配布しないといけないんです」

「俺らにそれを手伝えと?」

「いえ、それほど沢山はないので、狼のお友達―――仲間でしたっけ? まあとにかく、そちらを優先しようと思ったまでです」

 狼と話しながらも、優はお守りを皆に配っていく。

「ご家族の分もありますので、帰ったらちゃんと渡してくださいね」

 戸沢は最初、「こんなものは必要ない」と言って受け取ろうとしなかったが、優の営業スマイル押しに負けて、結局全員が受け取った。

「くどいようですが、ご家族にもちゃんと渡してくださいね」

 そうして、やや釈然としないまま本日は解散となった。

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