13/14
小さな灯
寮へ帰ると、小さな包みが届いていた。
ヘルミからだ。
部屋に戻り、早速開けてみる。
2つのアロマキャンドル。メッセージは入っていないようだ。けれど、
「あなたの、灯になる」 ヘルミの声が聞こえた気がした。
ひとつに火を点すと、シトラスの香りが広がっていく。
オレンジの小さな灯を眺めていると、旅立ちの日の健気な眼差し、告白の日の涙に濡れた瞳、そして笑顔が浮かんでくる。
遅れて、同じくヘルシンキで見守る両親の微笑、先ほどのチョビの真っ赤な顔、ングゥアチュチュの打ちひしがれた表情が次々と浮かんだ。
…しばし泣いてしまったが、やがて検索を始めた。
アロマキャンドルを1つ買う積もりだ。
(フラワーキャンドルにしようかな?色はどうしよう)
探しているうちに、いつの間にか涙は乾いていた。
<ヘルシンキ中心近く>
ヘルミが帰宅すると、小さな包みが届いていた。
ダンからのものだ。
部屋で開けて見ると、フラワーキャンドルが1つ、燃えさしのアロマキャンドルが1つ。
メッセージは入っていないようだ。
二つを窓際に置く際にふと、鏡に目が留まった。
鼻の下が伸びている。
微かに顔を赤らめたけれど、すぐに微笑に変わっていた。




