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10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます  作者: 犬社 護
2章 家族からの別離(現世)

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20話 お友達と初めての外食

私たちは猫カフェ建築用の土地やその周辺地域を散策し終え、定食屋ガブリへと戻ると、[営業終了]という看板が置かれている。


「ベイツさん、今日の夕食は誰の当番?」

「リット、急にどうしたんだ? 今日の当番は俺だが?」


リットは何か企んでいるのか、ガッツポーズをする。


「えへへ。実はね、今日お父さんやお母さんと最近開店したばかりのレストラン[クザン]に行くの。ベイツさんと咲耶もどうかな?」


レストラン[クザン]? そんなお店が、街内に新規開店していたんだ。


「あのレストラン、もう開店していたのか。色々あって、すっかり忘れていた」


ベイツさんも知っているんだ。


「リット、そのお店って有名なの?」


せっかくだし、彼女に詳しく教えてもらおう。


「超有名だよ!! クザンは、今国内で一番勢いのあるレストランなの。本店は王都にあって、現在チェーン店が8ヶ所もあるんだから」


前世の記憶だけしかないから、8ヶ所のチェーン店が凄いのか全然わからないけど、国内にそれだけあるのだから、料理もかなり美味しいってことだよね。


「どんな料理があるの?」

「オークと養殖ピッグがメインだけど、サラダに使われている野菜も新鮮で美味しいし、デザートのアイスクリームやプリンなんか、顔がとろけるほどの美味さなんだって。それでいて、価格を平民用に低め設定なんだよ」


オークって前世の小説だと、猪の怪物だよね。ピッグは英語で豚だから……どうしよう、どんな味なのか見当がついてしまった。多分、私にとって、前世で食べ慣れた料理だよ。でも、ここは驚いておかないといけない流れだ。


「そ…それは凄いな〜〜。私、食べたことないな〜」


誤魔化せたかな?


「ピピピピ」(訳:演技が下手すぎる)

「にゃにゃにゃ〜〜」(訳:ですね。その様子だと、前世で食べ慣れていますね)


う…ルウリとフリードが鳥語と猫語で、突っ込みを入れてきた。

ベイツさんなんか、リットに見えないよう、必死で笑いを堪えている。


「でしょでしょ!! ベイツさん、みんなで行こうよ!!」


良かった、リットには演技だとバレてないよ。


「そ、そうだな。夕食を、そういった店で食べるのも悪くない。リットの両親が了解してくれたのなら、皆で食べに行こう」


「やった〜〜〜、ちょっと待ってて〜〜〜」


リットが喜びながら、入口から店内に入っていく。

ベイツさん、笑いを堪えながら話すのやめてください。

演技って、意外と難しいな。



○○○



リットの両親アルドさんとミントさんから了解を得たので、私たちはレストラン[クザン]へとやって来た。中に入ると、5組ほど待っていたけど、私たちは20分ほどで席に着けた。この店はペットや従魔を入れられないので、ルウリとフリードには店の外で待ってもらっている。


席には、メニューが2つ配備されており、私とベイツさん、リットたちに分けて見ている。メニューを拝見すると、料理名とその横に綺麗な絵が描かれており、どんな料理なのかがわかりやすい。メインとなるものを見ると、私の知る[豚の生姜焼き定食][トンカツ定食][トンテキ]にそっくりで、内心驚いている。


「リット、どれも美味しそうだね」

「だよね!! 値段も、そこまで高くない。毎日、ここへ来たいよ」


リット、毎日来るつもりだったの?


「リット、流石に毎日は無理よ。破産しちゃうわ」

「そうだぞ。月に1回だ」

「あはは、そうだよね」


なんか、アルドさん、ミントさん、リットを見ていると、温かな家族だなって思う。私の前世の家族と似ている。今世の家族は、こんな温かさを絶対持ってないよ。あったら、記憶喪失になるはずないもの。


「お母さん、私はピッグジンジャー定食!!」

「良いわね、私はオークカツ定食ね」

「俺は、オークステーキ定食だ。ベイツと咲耶ちゃんは?」


アルドさんたちは、もう決まったようだ。


「私はピッグジンジャー定食ですね」

「俺はオークステーキ定食だ」

「了解だ、俺が注文を入れよう」


アルドさんが店員さんに注文してくれたので、ここからは待ち時間だ。こうやって店内を見渡すと、やっぱり日本のレストランと似ている。店内も広いし、みんなが美味い美味いと連呼して、料理を沢山食べている。皆が笑い合って話し合い、とても楽しい雰囲気が醸し出されている。私、こういった感覚、好きなんだよね。しばらく皆と談笑していると、料理が届いたので、私は自分の料理を眺める。


ピッグジンジャー、見た目は生姜焼き定食と瓜二つ。

香ばしいタレの匂いが、食欲をそそる。

リットが真っ先に肉をほおばる。


「美味しい〜〜〜。咲耶も食べてみなよ」

「うん」


私も、肉の一切れを食べる。

……あれ?

美味しい、美味しいのだけど、なんか変だ。

日本の豚と違うせいかな?

濃いソースで誤魔化しているけど、なんか違和感を感じる。


「美味いな、オークステーキ!! って、アルド、どうした?」


アルドさんを見ると、私と同じように手を止めている。


「うん? いや? 王都で食べたものと、味が違うと思ってな」

「チェーン店だし、完璧な味の再現は無理だろ?」

「それはそうなんだが、もっと根本的な何かが違う」


アルドさんも、違和感を感じているんだ。私の場合、日本との差異で感じているものだけど、彼は何を根拠に、その答えになったのだろう?


「あなた、どういう意味なの?」


ミントさんとリットも手を止めて、アルドさんを見る。


「多分だが、こいつはDランクのオークの肉じゃない」


え、メニューにはオークと記載されているのに、実際は違う肉を使っているってこと?


「お、おい、滅多なこと言うな!! 誰が、盗み聞きしているかわからないんだぞ!!」


ベイツさんが焦って、アルドさんの話を止める。


「あ、すまん。つい…な。まあ、美味しければ、なんでも同じだ。さあ、食べるぞ!!」


アルドさん、それ、フォローになってませんよ。ベイツさん、さっきまで美味しそうに食べていたのに、速度が遅くなっている。私とリット、ミントさんは違う料理なので、美味しく堪能しました。その後、リットはプリン、私はアイスクリームを注文し、半分ずつ分けて食べた。すっごく美味しかったけど、日本で食べ慣れているせいで、感想を言う際、フリードのような食レポのようになってしまったのに、アルドさんとミントさんは何故か、私のことを気に入ってくれた。お会計をして店へ出ると、ルウリとフリードが待ってくれていた。


「2人とも、お待たせ」

「構いませんよ。貴方たちが食べている間、こちらも色々とありましたので」

「そうだね、フリード。面白いことがあったよ、色々とね」


なんか含みのある言い方だな? 食事中、何をしていたの?


「ところで、ベイツ」

「なんだ、ルウリ」

「せっかく、こうして咲耶もリットと知り合い、互いに仲を深めたのだから、咲耶を彼女の家に宿泊させてはどうだろう?」


ええ、急に何を言っているの!?

流石に、アルドさんたちに迷惑がかかるよ。


「私も咲耶とお泊まりしたい!!」

「私も、リットとお泊まりしたいですけど…」


私はアルドさんとミントさんを見ると、2人は笑顔を返してくれた。


「アルド、咲耶ちゃんなら良いんじゃない?」

「そうだな。明日は、店の定休日だから問題ない。咲耶ちゃん、リットと遊んでやってくれないか?」

「え…はい、わかりました!!」


まさか、承諾してくれるとは思わなかった。

明日、定休日でよかった。


私は自分のアイテムボックスに、何かあった時のために2日分の着替えを用意しているから、今からでも行ける!!


「咲耶、良かったな。友達の家で、楽しんでくるといい」

「はい!!」


私は大喜びで、ベイツさんに返事する。

初めてのお友達の家での宿泊。

なんだか、胸が高鳴ってきたよ。

私とリットは笑顔で手を繋ぎ、定食屋ガブリを目指して歩いていく。


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