第70章:お葬式当日(2)
・・・2019年12月3日(火)、午後1時50分。
ぼくと茶太郎ちゃんは、
矢板市郊外の火葬場・・・
『しおや聖苑』の駐車場に到着した。
・・・あたたかく、おだやかな陽気の日だった。
とても12月とは思えないほどの、
「小春日和」といった感じで、
まさに、
ぼくと茶太郎ちゃんの、
新たな出発にふさわしい・・・そんなさわやかで、晴れやかな日だった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
愛車の後部座席の茶太郎ちゃんの、最後の写真2枚を撮影し、
受付の女性に、
火葬の代金、1万円也を支払ったぼくは・・・
さっそく、
予約していた、建屋裏手の火葬の釜に案内された。
・・・車を、駐車場奥に移動させ、
現場エリアに行ってみると、若い従業員のお姉さんがふたり待っていて、
すでに、火葬の準備が整い・・・
あとは、そこへ茶太郎ちゃんを連れていくのみ、という状態だった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「・・・では、うさちゃんを、連れてきてください。」
とくに感情も表に出さず、
余計な雑談や言葉もはさまずに、従業員のお姉さんのひとりが、淡々とぼくに告げた。
(このお姉さんは・・・これが初めての仕事じゃないな。すでに、何組もの人やペットを、ここの釜で見送ってきたんだろう。)
そんなことを、ふと考えながらも、
ぼくは、茶太郎ちゃんを抱っこして、
その愛らしいお顔にキスをして・・・
ゆっくりと、
焼き場の部屋に向かって、あるきだした。
・・・ぼくに抱かれた茶太郎ちゃんの体は、とてもやわらかくて・・・
そしてまた、思いのほか、
ずっしりと重く感じられた。
きっと、
背中の痛みや苦しみから解放されて、
ほっとひといきついていたのかもしれないな・・・。
でも、
彼を持ち上げた際・・・
頭が、地面に向かって、
ぐにゃりと下がったのには、
正直いって、悲しさとさびしさしか感じられなかった。
(茶太郎ちゃん・・・君は、本当に死んでしまったんだね・・・。ガクンと頭を下げさせてしまって、ごめんね。ちょっと、痛かったでしょう・・・。)




