↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
73/79

第71章:お葬式当日(3)

 ・・・抱っこした茶太郎ちゃんを連れて行った部屋、


 そこは、ちょっと殺風景な感じの、


 床がコンクリートの打ちっぱなしで、比較的ガランとした、


 広い部屋だった。


 もう、


 茶太郎ちゃんをのせるための、


 セラミック製とおぼしき台まで、釜から引き出されていた。


 どこか、粉っぽい、白い台の上に彼を優しく寝かせ、


 本当の最後の「お別れ」となった。


 でもぼくは、このときは泣かなかった。


 ・・・これまでに、さんざん悲しい涙を流してきたので、もう、すでに涸れてしまっている・・・といった状態に。


 ぼくも・・・


 そして、茶太郎ちゃん本人も、


 この場所に来るまでに、すでに覚悟はできていたのだ。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 「・・・うさちゃん、おむつつけてますけど、このままでいいんですか?」


 「ええ。この子も、向こうへ着いてすぐは、まだこのオムツが必要かもしれませんから・・・。」


 「わかりました。では、最後のお別れをお願いします。済みましたら、奥の待合室でお待ちください。少々、時間がかかりますので・・・。」


 ぼくは、写真に彼の最後の可愛い姿を残してあったので、


 この釜へ入れる、セラミックの台の茶太郎ちゃんとのお別れは、


 手短てみじかにしておいた。


 ・・・部屋を出て、扉が従業員に閉じられる、


 わずかな時間・・・


 ほんの数秒だったが、


 扉の隙間すきまから、こちらへ頭を向けた状態の・・・


 台にのった茶太郎ちゃんの、最後の笑顔が見えた。


 (・・・茂雄くん。いろいろと、ありがとね。じゃ、ぼく、いってきます。)


 (うん。いってらっしゃい。茶太郎ちゃん、ぼくね、奥の部屋で待ってるから。

 終わったら、また、すぐにここへ会いに戻ってくるから、そしたら、ふたりでおうちに帰ろうね・・・。)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。