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第57章:茶太郎ちゃん天国へ(2)
・・・帰宅して、車庫には入れず、
直接、茶太郎ちゃんが待つ、トレーニングルームの建屋に車を横付けしたぼくが、
車のエンジンを切ろうとした、そのとき。
運転席のウィンドウ越しに、
誰か立っているのに、気がついた。
・・・ぼくの弟の明雄だ。
ぼくの1番目の弟。
実はぼくは、いろいろな理由から彼とケンカになり、
この朝まで数年間、同居しながらも、いっさい口を利いていなかったのだった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
そんな明雄から、たったひとこと。
「・・・うさぎ、死んじゃった。」
数年ぶりにぼくに話しかけた、最初の言葉だった。
「そうか。」
彼は、それ以上何もいわず、
愛車でゆっくりと出勤していった。
母も外出していた。
まだ、事の重大性を認識できていなかったぼくであったが・・・
冷静さを保っていられたのも、ここまでだった。
トレーニングルームに、一歩踏み込んだぼくが目にした光景とは・・・テーブルに載った、
柵が取り外されたケージと、
そこにかけられた、青い毛布の、
さびしい姿だった。




