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第48章:褥瘡(じょくそう)との戦い(4)

 あぁ・・・


 当時のことを思い出しながら、涙をこらえつつ・・・


 もう、「勢い」だけで書いているぼく。


 そんな心情を思ってくださる、優しい先輩方や読者の皆様。


 すでに皆様も、


 そろそろ、この物語の『最終章』・・・すなわち、


 茶太郎ちゃんとのお別れのときが近いことは、ひしひしと、お感じになられているはずだ。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 ・・・結論からいってしまえば、


 最後まで、この「褥瘡じょくそう」の問題が解決されることはなかった。


 いかに、やわらかい、マイクロファイバー製のバスタオルでカバーしていたとはいえ、


 地球の重力の影響から、茶太郎ちゃんが逃れることなどできなかったからだ。


 発見当初のような、


 あまりにも露骨な傷は見られなくなってはいたものの・・・


 程度の軽い「とこずれ」が、


 茶太郎ちゃんの体から完全に消え去ることは、生涯なかった。


 しかも、それとは別に・・・


 栄養に関する重大かつ深刻な問題も、顕在化けんざいかしてきていた。


 元気なころの茶太郎ちゃんの体重は、


 おおむね、2Kgあたりで推移、安定していた。


 ・・・ところが、いざ、介護生活に入り、


 自由に走りまわることができなくなると、


 みるみるうちに体全体がやせ細ってゆき・・・


 とくに、骨折してゆがんだ格好のまま固まってしまった背中部分が、


 肉が落ちたように、げっそりとした感じに。


 ぼくは、かつて彼が元気だったころに、よく背中をなでていたものだが・・・


 いまや、その豊かでふっくらとした感触は失われ、


 まるで、山の尾根おねのように、


 ゴツゴツとした背骨の手触りが・・・


 ぼくに、「無言の悲しい嘆き」のようなものを、静かに訴えかけているようでもあった。


 先生のところで計った茶太郎ちゃんの体重は・・・


 怪我をする前の、半分の1Kgもなかった。

 

 (茶太郎ちゃん、こんなに軽くなっちゃって・・・。かわいそうに。毎日、会うたびに、顔を合わせるたびごとに、やせていくよね・・・。)


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 ・・・うさぎには、


 『食糞しょくふん』という、特有の習性がある。


 簡単にいえば、自分の肛門に直接口をつけて、


 「栄養の再吸収をする」といったところか。 


 背骨が折れてしまった茶太郎ちゃんは、もう、前かがみすることができないので、


 ニ度と永久に・・・


 こういった重要な食生活を営むことができなくなってしまったのだった。


 ネットからの記事を引用すると、以下のとおり。


 「食糞は実はうさぎの食習慣のひとつ。 ペットのうさぎだけでなく、野生のアナウサギやノウサギ、ナキウサギも毎日食糞をします。 うさぎの主食は草ですが、その成分はほぼ食物繊維で、うさぎにとって重要なたんぱく質、脂肪酸、ビタミンなどが充分に含まれていません。 そんな草から生きるのに必要な栄養を摂るために、うさぎは独自の消化の仕組みを持っています。 その仕組みとして腸の中で特別なうんちを作り、それを食べることで効率的に栄養を吸収しているのです。」

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