第47章:褥瘡(じょくそう)との戦い(3)
ぼくが見つけたもの・・・それは、
茶太郎ちゃんの、床の金網部分に接する、右脚のつけねあたり・・・
そう。
ちょうど、人間でいえば、
右のおしりの、骨が薄くなっている箇所にあたる部分が、
肉がエグれていて、さらに、茶太郎ちゃんの骨が少し見えるような状態であった・・・!
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ちょうど休日だったぼくは、
いそぎ、かかりつけの「おおるりペットクリニック」の尾形先生のところに、
茶太郎ちゃんをかつぎこんだ。
「・・・褥瘡ですね。栄養も、なかなか摂れませんし、どうしても、床に接触もして、体重もかかりますから。」
「先生・・・どうしたらいいんでしょうか。まさか、ずっと茶太郎ちゃんを抱っこしているわけにもいきませんし・・・。」
「ちなみに、床って、先日見たときのままですか・・・? つまり、金網の上に、何も敷かずに、茶太郎ちゃんをそのまま載せて・・・?」
「はい。」
「それはマズイです。いますぐに、やわらかい毛布のような何かを、金網の上に敷いてあげないとね。」
「でも、先生。そうしますと、排泄の問題が・・・」
実はぼくは、以前そうしていたように、
茶太郎ちゃんに、金網の好きなところに自由におしっこやうんちをさせ、金網の下のケージの床に落とさせていたのだ。
それで、茶太郎ちゃんの、そろってしまった両脚の間にたまった排泄物をとりのぞき、
10Lバケツで、彼を抱っこして下半身ごとぬるま湯で洗ってあげていた。
もちろん、固まってよじれてしまった背骨に、これ以上、余計な負担をかけぬよう、工夫して、彼の上半身を支え、
さらに、バケツに張ったぬるま湯に、茶太郎ちゃんを落とさないよう、細心の注意を払いながら・・・。
「・・・先生、今後、この子のおしっこやうんちは、どうやって処理したらいいんですか?」
「うん。では、小型犬用のおむつを使いましょう。市販のものでいいですから、茶太郎ちゃんのサイズに合った、犬用の紙おむつをつけさせて、マメに取り替えてあげてください。洗浄は、従来どおり、水中に彼を落とさないように、気をつけながらやってください。もちろん、そのあとは、タオルやキッチン・ペーパー、ドライヤー等で、じゅうぶん乾かして、清潔な状態に保ってあげることです。
今回の傷に関しましては、薬を塗りますから、しばらくはガーゼを当てておいてください。そして、ご自身でガーゼを取り替えてあげるようにしてください。」
「・・・わかりました。ありがとうございました。」
「なにか異変を感じたら、ためらわずに来てくださいね。」
・・・そうしてぼくが茶太郎ちゃんのために用意したものとは、
「ユニチャーム」という会社の、
『マナーウエア』という、紙おむつの商品。
その中でも、「SSSサイズ」の、
超小型犬用のものを選択した。
そして、肝心要の床用の敷材は・・・
ホームセンターなどで入手できる、
市販の、マイクロファイバー製のバスタオルだった。
水分をよく吸収し、表面がなるべく短時間で乾く素材だ。
茶太郎ちゃんの前脚のツメも適度に引っかかって、前進しやすくなるし、
なによりも、直接、茶太郎ちゃん自身の全体重が金網に載せられるような状態からは、
一応、いったんは、これで解放されたわけである。
(・・・茶太郎ちゃん、また、しばらくの期間、つらい思いをさせてしまって、本当にごめんね。たしかにぼくは・・・うさぎの介護が初めてで、いかに無知だったとはいえ・・・何もしゃべれない、痛みを訴えることもできない君に、1ヶ月も、こんなに痛い思いをさせてしまっていて・・・。本当にごめんなさい。)




