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第43章:給水の問題など

  ・・・少し前の章で、


 茶太郎ちゃんが、腰がガクッと落ち、犬が「おすわり」するような格好で、


 ケージにいたところを、ぼくが発見し、それを、彼の体の左がわに後ろ脚をそろえる形で、修正した・・・とお伝えした。


 その瞬間だけは、彼も激痛を感じてしまっていたかもしれない。


 が・・・


 結果的には、それで正解だったと思う。


 なぜなら、最初に発見した状態で折れた背骨が固まってしまっていたとしたら・・・


 おそらく茶太郎ちゃんは、その姿勢では、前脚でケージ内を動きまわることはできなかっただろうから。


 床の金網に下半身部分が引っかかってしまってね。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 彼が前脚しか使えなくなってしまった結果として・・・


 さまざまな問題や課題が、とたんに浮上してきた。


 まずは、給水・・・


 すなわち、茶太郎ちゃんの「水飲み」の問題である。


 それまでの彼は、


 「マルカン」という会社製の、うさぎなどの小動物用のプラスチックボトルの給水器から、直接、口をつけて水を飲んでいた。


 このボトルは、ケージの側面のさくの部分に取り付けることができるので、じゃっかん顔を上に向ける形で、


 彼は水を飲んでいたのだ。


 ところが・・・


 下半身が不自由となり、


 両前脚りょうまえあしを突っ張る姿勢になってしまったので、


 いちばん低い位置に給水ボトルをセッティングしてあげても、もはや茶太郎ちゃんは・・・


 そこから水を飲むことができなくなってしまっていた。


 そうなると、


 一週間もたたぬうちに、体内の水分不足により、衰弱すいじゃくして死んでしまう。


 ・・・カリカリの乾燥したペレットのえさには、


 ほとんど、水分が含まれていないからだ。


 そこで、考えたのが・・・


 チンゲンサイをはじめとする、


 野菜からの水分摂取だった。


 もともと茶太郎ちゃんは、チンゲイサイもキャベツの葉っぱも大好きであったので、


 この問題は、わりと早く解決した。


 瀬戸物の食器でカリカリを食べる際にも、


 以前は、普通になんでもなく食べていた彼であったが、一段低い姿勢になってしまったので、


 そのままでは、容器の底の方にあるカリカリまで口が届かず、ほとんど食べられない状態になってしまう。


 だからぼくは、


 食器にめいっぱいカリカリを満たし、彼の口が届くようにしてあげたのだ。


 ・・・野菜を毎日、欠かさないように冷蔵庫にストックしておくために、


 けっこうな金額の野菜代がかさんだが、


 そんなケチなことは、このさい言っている場合ではなかった。


 ・・・ぼくは、スーパーをあちらこちら回り、


 一番安くて、「実入りのいい」、


 葉っぱ部分も、胴体部分もふっくらとして、水分たっぷりのチンゲンサイを選んで買っていた。


 キャベツにしても、


 あの「高久コーポ」時代にもそうしていたのだが・・・


 スーパーの野菜売り場の端っこにあったゴミ箱に捨てられていた、


 固くて売り物には適さない、キャベツの一番外側の分厚い葉の部分を、無料でもらってきたりしていた。


 ゴミ箱といっても、


 一般ゴミを捨てるような汚いものではなく、野菜くず専用のものだった。


 言うまでもないことだが、


 ぼくは、彼にあげるときには、どちらの野菜も、よく水洗いして、


 さらに、洗った野菜についた余分な水滴をペーパータオルでぬぐって、茶太郎ちゃんの体をむやみにらさないように工夫し・・・


 じゅうぶんに清潔な状態で与えていた。


 もちろん茶太郎ちゃんは、


 大喜びで、それらにかぶりつき・・・


 なんとか、「水飲み」「水分補給」の課題は解決した。


 カリカリも、


 床にこぼしながらも、なんとか食べることができた。


 (よかったね、茶太郎ちゃん・・・。これで、ノド渇いて、つらい思いしなくてすんだもんね。絶対に野菜は切らさないようにするから、安心してね。)

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