2人の結婚式
旅立ちは、いつか来るもの
ギアとレシアは、幸せそうに腕を組んで、純白のドレスとタキシードでマイティの前まで歩いてきた。
マイティは、牧師の帽子被ってるが、魔物が牧師の格好していいのか?
そんな疑問をよそに、式は進んでいく。
2人のキスシーンでは、みんな号泣していた。
「おめでとう!!!」
「2人に祝福あれ!!!」
みんな、泣きながら口々にお祝いの言葉をかけて、花を2人の頭上に向けて投げる。
ふわふわと散る花びらが、本当にきれいで、俺の目に汗が浮かぶ。
あーあついな、今日。
セイラとピイが、いつの間にか俺の両脇にくっついている。
「ついでに、うちらも式やっとく?」
「いいね、同時にやっちゃおう」
勝手に話を進める2人に、今日は乗ってやる。
「そうだな、それもいいな」
冗談で言ったのに、2人に驚異的な力でマイティ牧師前に引きずられて、誓わされた。
これで、夫婦だね、と恐い笑顔で頷かされた。
女って恐い。
式の後には、最下層でのパーティだ。
今日のために作った豪勢な料理の数々。
そしてウエディングケーキもある。
2人の食べさせ合いは、微笑ましくて、みんな冷やかすから、2人とも真っ赤だ。
そうして、料理を食べて、2人を祝福した。
2人のための家は、ダンジョンの外に作った。
もちろん、ダンジョンの裏口からすぐに入れるが、一応、2人とも人間だ。
そして、いつか生まれるかもしれない子供も、人間だ。
ダンジョン内は、さらに魔素が減って、あちこちガタが来てる。
崩れて来てる壁だってある。
そんなところより、外の方が、人間には良いだろう。
勇者も攻めて来ない。
そう会議で決まって、俺とヒグが協力して、立派な家を作った。
子供が10人生まれても大丈夫な広さだ。
セイラたちも手伝ってくれて、なかなかに趣味の良い内装も出来た。
川から専用の水路を作って、水には困らない。
火も、ギアなら、あっという間に着けられる。
もう、俺がギアの為にできることなんて、無くなった。
俺の小さなギアはいない。
ここにいるのは、結婚して、すっかり立派な大人になった、ギアだ。
そう思うと、また目に汗が出てくる。
なんだ、今日の空は、ずいぶん歪んでるな。
私も旅立ったけれど、親の立場は、また、ちがうものですね




