表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン村は今日もにぎやか  作者: わたあめ☆
33/43

被害状況

ダンジョンで暮らす聖女?なんでこんな話になったのか?

4階までが、勇者たちに対応しきれず、被害が出てしまった。


みんな、まさか勇者が本当に入ってくるなんて思わなかったから。


誰かのイタズラだと思ったのだ。


その結果、少なくとも5人が怪我をした。


もちろん、重症ではない。


ちょっとした切り傷だ。


だが、俺たちがこんな怪我をするなんて。


誰かの血が流れたことが、悲しい。


魔素溜まりで、みんなもう治ったけれど、一部踏み荒らされた畑もあった。


そこは、協力すれば、あと3日程で戻るだろう。



それより何より。


ギアだ。


ギアが、聖女を家に住まわせた。


これには、緊急会議が開かれた。



「どうするったって、、、なあ」


俺がヒグに話を振ると、ヒグは目を逸らす。


マイティも目をそらす。


そんな俺たちに、ピイが大声をあげる。


「聖女の聖魔法で、うちらみんな、やられちゃったらどうすんの?!」


セイラも合わせる。


「そうよ!勇者の切り傷どころじゃないのよ!私たち消滅するんだから!」


こいつら、意見合うことなんて、あったんだな。


そんなことを、ぼんやり考えていると。


2人の矛先が俺に来た。


「「ちょっとカイ!!!聞いてるの?!このまま聖女をダンジョンに置いておくなんて出来ないでしょ!!!」」


2人で声を合わせて俺に詰め寄る。


あーめんどくせ。


なんとかやり過ごそうとしていると、ドアが開いた。


そこには、ギアと噂の聖女。


聖女は、恐る恐るといった感じでギアの後ろにくっついてる。


おや、ずいぶん仲良くなれたんだな。


ギアも、満更でも無い顔しちゃって。


俺も、胸の中があったかくなる。


ギアは、決心したように、俺たちに向けて話し始めた。


「彼女は、レシア。皆も知ってる通り、聖女だ。でも、彼女は、ここで、僕達のことを、もっと知りたいと言ってくれてる。僕は、もう少し、彼女を僕の家にいてもらって、皆のことを知ってもらいたいと思ってる。みんな、どうかな」


初めに口を開いたのはピイだ。


「ギア、あのね。私たちは、魔物なの。ギアは人間だから平気だけど、聖魔法は、私たちを消すのよ」


セイラも同調した。

「そうよ、ギア。あなたの願いは叶えたいけれど、私たちは、、、」


そう言う2人に、レシアが、恐る恐るギアの後ろから話しかけた。


「ギアから聞いた、ギアの美人なお姉さんというのは、お2人ですか?」


途端に、2人の表情が輝いた。


「なに?その話、詳しく教えてくれる?」


聖女に急に近付く2人に、レシアはたじろぎながらも、精一杯答える。


「えっと、、、ギアには、強くてかっこいいお兄さんたちと、美人な2人のお姉さんがいると聞きました。みんな、とても優しくて、心のきれいな人達で。ここにいる皆さんが、ギアの大切な家族だと」


レシアが、ピイとセイラにぎゅうぎゅうに抱きつかれて、苦しんでいる。


俺は、ギアに笑って親指を立ててやる。


ギアも、親指を立てて、ニコッと笑う。


満場一致で、レシアは家族に迎えられた。

書いているうちに、物語が独り歩きするって、、こういうことなんですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ