↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン村は今日もにぎやか  作者: わたあめ☆
31/43

真実

聖女って、いい響きですよね。

目を開けると、そこは家の中だった。


私の家じゃない。


でも、とても居心地の良いフカフカしたベッドに、シンプルだけど趣味の良いインテリア。


なんだか美味しそうな匂いまで漂ってくる。


体を起こすと、ベッド横にサイドテーブルがあり、水差しと、コップもあった。


恐る恐る匂いを嗅ぐが、爽やかな柑橘系の香りがする。

聖魔法で、毒物を鑑定するが、入っていないようだ。


周りを見回して、だれもいない。


とりあえず、喉がカラカラなので、水を飲む。


おいしい!僅かに酸味のある柑橘類が入った果実水だった。


こんなにおいしい果実水は、王都でもお目にかかったことがないわ。


そんなことを考えていると、美味しそうな匂いが気になって、お腹もぐうぐうなり始めた。


ダンジョン近くの街を出てから、もうずいぶん携帯食料しか食べてない。


味も最悪で、お腹は空きっぱなしだった。


勇者たちは、隙あらば、体を触ろうとしてくるし、嫌味や嫌がらせばかりで、夜もあまり眠れなかった。


だから、久しぶりにベッドで寝た体は、軽くスッキリしていた。


ここはどこかしら?


私は、ダンジョンの最下層で、魔人に捕らえられたはず。

本当に美しい魔人だった。


私の聖魔法も効かず、勇者たちは斬殺された。

後悔の念が押し寄せてくるが、少しほっとしている。

このダンジョンでの任務が終われば、私は勇者と結婚するよう国王から言われていたのだ。

あんな最低な奴と結婚しなくて済んだことが、不幸中の幸い。


そっとベッドから降りて、この部屋のドアを薄く開ける。


私の目に、驚きの光景がうつった。


スケルトンが、台所で料理してる。

しかも、隣に、、、あの魔人がいる!!!


心臓がバクバクとなって、口から出そうになり押さえる。

脂汗が出てくる。


どうしよう、魔人の巣に連れて来られたんだ!

私はこれから、食べられるの?!


どこか逃げ道はないかと後ろを振り返ろうとすると、呑気な声が聞こえた。


「ほーら、ギア?もう少し野菜は小さく切って?」


優しいお母さんのような声に、私の思考は止まる。


「えー?このくらい大丈夫でしょ。そのうち煮えるってー」


そう笑って魔人が返事をしている。


「だめよー、人間の女の子なんだから。喉に詰まらせたら大変でしょ?倒れた後なんて、具合い悪いかもしれないし」


スケルトンは、エプロン姿で、鍋を混ぜている。


「わかったよ、ジョエル、、、これくらい?」


魔人が切った野菜を見せると、スケルトンは嬉しそうな声を出す。


「やれば出来るじゃない!これで、いつお婿さんに行っても大丈夫ね!」


そんなことを言って、魔人の肩を叩いてる。


魔人は赤くなって


「なっ!!!お婿さんなんて、無理に決まってるだろ!ほら、鍋こげちゃうよ!」


スケルトンを押し返している。


「あ、こっちのお肉も良い感じよ。そろそろ、あの子を起こしてみたら?」


スケルトンがこちらを向いた。


急に向かれて、私は焦ってベッドに潜り込む。


どうしよう!!!

なんだか平和な光景に、ついついぼんやり見てたら、全然逃げれてない!


ドアがノックされて、そろりと魔人が入って来た。


私の方に近づいてくる。


汗が額から落ちる。


私、死ぬのかな。


涙が自然とこぼれた。


すっと、涙が暖かい指に拭われた。


驚いて、思わず目を開けてしまう。


「目が覚めた?」


笑顔の魔人に、もう一度、意識を失いそうになった。

聖女って、1度は憧れますよね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。