06 ジークハルトの良さを伝えたい
子爵令嬢/生徒C ニーナ・ヴァロワ
皇太子 /攻略対象 アルフレッド・クロムウェル
公爵 /攻略対象 ジークハルト・ベルシュタイン
伯爵 /攻略対象 リュカ・モンパルナス
伯爵 /攻略対象 オスカー・ウィリアムズ
伯爵令嬢/悪役令嬢 クロエ・ラングレー
男爵令嬢/ヒロイン アリアナ・ロゼ
あれから、なぜか、アルフレッドに懐かれてしまった。
餌付けをした気分だ。
「ねえ。今日も食堂のランチボックス?僕の分も買ってきてよ。一緒に食べようよ」
そう言われて、丁寧にお断りする。
「申し訳ありません。私、(ジークハルト観察の)大切な用事があるんです」
そう言ってるのにお昼になると私にくっついてくる。
ジークハルトのまったり時間を邪魔したくないから、中庭に行けなくなってしまった。
その分、授業時間に満喫することにした。
「…最近、中庭に来ないね」
あるとき、突然、ジークハルトにそう言われた。
「アルフレッド様が私が嫌がるのを面白がってついてくるんです。お昼寝のお邪魔になりそうなので…って」
そこまで言って、はっとする。
寝てるところを見たいって、変な人だよね。
「いえ、違うんです!お昼寝するのを見てるわけじゃなくて。いや、見てるんですけど…その、ファンなので。そういう姿も見たいって言うか…あ、変な人って…思わないでくださいぃ…」
何を言っても、変な人になってる。
あたふたしている私を見て、ジークハルトがくすっと笑った。
「君は、変わってるね。アルフレッドの行動に困ってるなら、俺から言ってあげようか?」
そう言われて、きゅんとした。
私の推しは、優しい。
皇太子相手に子爵令嬢から抗議できないだろうと、わかってくれたんだろう。
でも、もともとあまりいい関係でない2人の関係を、これ以上拗らせたくない。
「いえ…大事になるのも嫌なので。そのうち、飽きると思いますし」
そう伝えておいた。
この優しい人のために、なんとかアリアナとの仲を取り持ってあげたい。
個人的には、あんまり好きになれないアリアナだけど。
アリアナもジークハルトに恋をすれば、彼に寄り添ってくれるはず。
これは、あれだな。
アリアナにジークハルトの良さを知ってもらおう大作戦を展開するしかない。
ジークハルトの良さを書き出してみる。
カッコいい。いざという時に逃げず、物事を最後までやり遂げようとする姿勢。可愛い。キラキラした目で熱中する純粋さ。優しい。冷静に動いてくれる頼もしさ。文字が綺麗。ストイックに努力し続ける姿。瞳が綺麗。さりげない気遣いができる。リードしてくれるスマートさ。落ち着いて話す時のトーンの心地よさ。体ががっしりしている…
ダメだ。
ありすぎて、ノート1冊では足りない。
こんなにたくさんある、ジークハルトの良さをどう伝えればいいんだ。
とりあえず、あれだ。
アリアナをカフェに誘ってみよう。
そこで、じっくり、話し合う必要がありそうだ。
その誘いにのってくれるか不安だったけど、快諾された。
「いいわよ。あなたのおごりなら」
そう言われた。
いいんだ。
さすがは、ヒロインと言っていいんだろうか?




