04 ヒロインと極悪人のジーク
子爵令嬢/生徒C ニーナ・ヴァロワ
皇太子 /攻略対象 アルフレッド・クロムウェル
公爵 /攻略対象 ジークハルト・ベルシュタイン
伯爵 /攻略対象 リュカ・モンパルナス
伯爵 /攻略対象 オスカー・ウィリアムズ
伯爵令嬢/悪役令嬢 クロエ・ラングレー
男爵令嬢/ヒロイン アリアナ・ロゼ
「あらためまして、ジークハルト・ベルシュタインだ」
「あ…ニーナ・ヴァロワ、です」
ジークハルトが自己紹介をするから、自己紹介せざるを得なくなった。
私などの名前、耳障りではなかっただろうか。
「ジークハルト様は、アリアナさんのことがお好きなんですよね」
私がこの世界でやりたいことの1つ。
それは、ジークハルトとアリアナをラブラブにすることだ。
「…アリアナ?って誰だっけ?」
「アリアナさんは、真ん中のほうの席に座っている、男爵令嬢の…」
そこまで伝えても、ジークハルトはピンと来ていないようだ。
ジークハルトに認識されてないぞ、アリアナ!
これでは、ジークハルトがヒロインとラブラブにならない。
大問題、発生じゃないか!
アリアナがジークハルトにアタックしていないのかもしれない。
もしかして、別ルートに入ろうとしてる?
やばい…
このままでは、ジークハルトが闇落ちしちゃう。
なんとか阻止しなくちゃ。
「ジークハルト様、私、超急用ができました!これにて失礼させていただきます」
そう伝えて、その場を後にした。
アリアナを探す。
1番ダメなのは、アルフレッドルートに入ること。
ジークハルトが処刑されちゃうもん。
リュカルートもオスカーも、できれば阻止したい。
アルフレッドは皇太子というだけあって、ご令嬢たちに人気がある。
すぐにいる場所がわかった。
近くにアリアナがいないか…
確認するまでもなく、アルフレッドの目の前にいた。
何を話しているのかわからないけど、アルフレッドにベタベタしている。
アルフレッドは困っているようだし、周りのご令嬢は冷ややかにアリアナを見ていた。
誰か、注意しろや。
こういうとき、クロエが嫌味を言ってアリアナをけん制するんだけど。
なぜかクロエがいない。
役に立たない悪役令嬢だ。
が、今はそれどころではない。
「アリアナさん!大変ですっ!ちょっと来てください!こっちにっ!!」
なんとか、ジークハルトにアリアナを認識してもらわないといけない。
「は?何、あんた?…ていうか、また、あんた?」
アリアナが何か怒ってるみたいだけど、どうでもいい。
アリアナにどう思われても関係ない。
「アリアナさん、大変です!あなた、公爵のジークハルト様に認識されていませんよ?」
私がそう言うと、アリアナは心底どうでもいいという顔をした。
「は?あの『極悪人のジーク』に認識なんて、されなくてもいいわよ」
ヒロインがそう言った。
いやいや、お前、ヒロインだろ?
「ともかく、来てくださいっ」
そう言って、無理矢理引っ張って連れていった。
中庭でウトウトしているジークハルトがいる。
可愛い。
「げっ!マジで『極悪人のジーク』じゃん」
ヒロインが毒を吐く。
が、聞こえない、聞こえない。
「アリアナさん、ジークハルト様はそう言われて、心を痛めているんです。癒してあげてください」
そう伝えると、アリアナは嫌そうな顔をした。
なにかおかしい。
ジークハルトルートじゃないにしても、どうしてヒロインはここまでジークハルトを嫌うんだろう。
心優しい女性という設定じゃなかったっけ?




