表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モブ令嬢に転生したので推し活していたら極悪令嬢に昇格しちゃいました  作者: 西園寺百合子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
35/50

35 腹黒皇太子がチラ見えです

子爵令嬢/生徒C ニーナ・ヴァロワ

皇太子 /攻略対象 アルフレッド・クロムウェル

公爵  /攻略対象 ジークハルト・ベルシュタイン

「このままでいいんですの?!」

クロエがそう言って、ジークハルトに詰めよっているようだ。

「いいも悪いも。少し落ち着いて。あまり過激なことは考えてはいけないよ」

ジークハルトはクロエをなだめているように見える。

「過激にもなります!私はっ、皇太子妃候補だったのですよ?それなのに、あんなわけのわからない王女が現れて、あげく、王女の愛人を囲う手伝いまでさせられるなんて。屈辱です!」

そう言って、たぶん泣いている。

肩が震えているのが見えた。

ハッとしてアルフレッドを見た。


「あ、あれは…クロエさんの妄想?悪いイメージ?みたいなのが言葉に出てしまっただけですよ」

私がそう言うと、アルフレッドがクスッと笑う。

「気を遣ってくれてありがとう。でも、知ってるから大丈夫」

そう言われて初めて、キラキラ皇太子を気の毒に思った。

そんな女性だとわかっていて、アルフレッドはアリアナとの婚約を受け入れてるんだ。

国のために…


「でも、だからって…アルを…アルフレッドを暗殺するなんて。できるわけがない」

ジークハルトがそう言ってクロエを落ち着かせようとしている。

その声はいつもより低く、必死さ伝わってきた。

すごいことを聞いてしまった。

また、ハっとしてアルフレッドを見る。

アルフレッドの顔から笑顔が消えていた。

さすがにショックだったんだろう。

私も何と言っていいかわからない。


「でも、もう、アルフレッド様を殺すしかありませんわ。アルフレッド様がいなくなれば、あの生意気な王女もこの国に必要なくなるでしょ?…ともかく、あの女に負けるのだけは、嫌なんですっ」

クロエが癇癪を起している。

足元を踏み鳴らし、髪が揺れるほど強く感情をぶつけている。

ジークハルトは困って頭を掻いている。

「アルフレッドが、もし、万が一、いなくなったとしたら、誰かを養子にとるか、弟君おとうとぎみが皇太子になるんだ。アリアナ嬢がそのどちらかの相手になる可能性もあるんだよ?」

ジークハルトがゆっくりと話している。


「養子だったら!公爵令息のあなたが選ばれるかもしれないじゃない!そしたら、私が皇太子妃になれるわ!」

クロエはそう叫んだけど、ジークハルトは大きく首を横に振った。

一瞬だけ視線を落として、それからはっきりと否定する。

「俺は長男だから、それはない。それにね、どうしたって彼女はこの国にくる。アルフレッドの命を奪う意味はないよ」

落ち着かせようとしているんだろう。

ジークハルトはゆっくりとクロエにそう話しかけている。


「ともかく、落ち着いて。どんな理由であっても、俺はクロエ嬢に協力できない。アルは、大切な友達なんだ。わかってほしい」

ジークハルトがそう言って、泣いているクロエの背中を擦っている。

クロエは肩を震わせて泣いていた。

本当はクロエも、アルフレッド暗殺が意味のないことだってわかっていたのかもしれない。

怒りでつい、口走ってしまったんだろう。


「…大切な友達って言われちゃった」

隣でアルフレッドがボソッと呟いた。

その声はいつもより小さく、空気に溶けていくみたいだった。

「そうですね。大切なお友達なんですね」

そう言って、前を見る。

たぶん、アルフレッドは泣いているから。

皇太子殿下の涙を見ることがないように、じっと前を見ることにした。


ジークハルトは、アルフレッドにクロエから相談されたことを話したらしい。

「彼女は本気じゃないって、何十回も説明されたけどね」

アリアナの身の回りのお世話で忙しいのに、隣でアルフレッドがずっと話をしている。

「そうですか。…全部話してもらえて、よかったですね」

ジークハルトは優しいから、クロエのためにアルフレッドには話さないんじゃないかと思ったけど。

友達の身の安全を第一に考えたんだなと思った。


「うん。一応、護衛を増やせだの、ひとりでいるなだの、毒見役をつけろだの。やたらうるさく言われたよ」

めんどくさそうに話すアルフレッドだけど、まんざらでもない様子だ。

「そうですか」

そう言って会話を打ち切ったところに、アリアナが来た。

「あら、アルフレッド様。いらしてたんですか?」

「うん、婚約者殿のご機嫌をうかがいにね。足りないものはない?」

アルフレッドがキラキラ皇太子の顔になった。

皇太子妃になったら、愛人を囲うつもりでいる女性に、よくそんなふうに笑いかけられますね。

私には無理な世界っぽい。


「そういえば。私が王宮に入ったら、この子も連れていっていいですか?」

アリアナがそう言って私を指差した。

そういえば、そんなお願いしたかも。

「あ…アリアナさんったら。そんなこと、皇太子さまに直接お願いしたらダメですよ~。あはは…」

ジークハルトの闇落ちを回避できたら、こんな奴と一緒にいるつもりはない。

王宮まで一緒に行くなんて、御免こうむりたい。

「へえ。ニーナ嬢は王宮で働きたかったんだ。いいよ、僕が話を通しておいてあげるよ」

アルフレッドが二つ返事で了承した。

やめて…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ