20 キラキラ皇太子の告白
子爵令嬢/生徒C ニーナ・ヴァロワ
皇太子 /攻略対象 アルフレッド・クロムウェル
公爵 /攻略対象 ジークハルト・ベルシュタイン
伯爵 /攻略対象 リュカ・モンパルナス
伯爵 /攻略対象 オスカー・ウィリアムズ
伯爵令嬢/悪役令嬢 クロエ・ラングレー
男爵令嬢/ヒロイン アリアナ・ロゼ
アリアナはあれから、学園にこなくなった。
皇太子でもあるアルフレッドが、正式に学園に抗議をしたようだ。
公爵家のベルシュタイン家からも抗議があり、アリアナは退学処分となった。
ちなみに。
実家に私が送ってしまった「学園を辞めたい」という手紙。
あの手紙を読んだ両親が驚いて、学園まで私を訪ねて来た。
色々あったことを話して「もう大丈夫だから」と帰ってもらった。
両親に心配をかけてしまって申し訳なかったなと反省した。
「おかしい」
どうも、おかしい。
アリアナは『禁断のロイヤル・アカデミー ~裏切りの王子たち~』のヒロインのはずなのに。
思えば、最初からおかしかった。
アリアナは清楚でなかったし。
クロエは悪役令嬢ではなかったし。
生徒Cの私がジークハルトやアルフレッドと仲良くなっちゃうし。
…ジークハルトとは恋人にまでなっちゃったし。
「いや~。よかったね。僕のおかげなんだから、感謝していいよ」
アルフレッドがそう言って、私がサロンでまったりしている隣に座った。
「アルフレッド様。男子生徒は、剣の授業中のはずでは?」
只今、男子生徒は体育の時間。
女子生徒は読書の時間である。
「皇太子特権だよね。こう見えて僕、強いんだよ。剣術」
そう言って、剣を振る真似をした。
さいですか。
「でも、よかった。君が本当にジークのことが好きで」
そう言って足をぶらぶらさせている。
本当にさぼる気のようだ。
「…私がジークハルト様のことが好きなのと、殿下と、何の関係があるんですか?」
私も諦めて、アルフレッドのおしゃべりに付き合うことにした。
「ジークはさ。あんな傷があるから極悪人とか言われてるけど、すごく優しいんだ」
アルフレッドがそう言った。
それはよく知ってる。
「だからね、あの見た目につけこんで、ご令嬢が言い寄ってきてたの。公爵夫人になりたい人もいれば、皇太子である僕と仲良くなりたくて近づいてたご令嬢もいたかな」
アルフレッドのその言葉に、怒りが湧いた。
「その女ども、私がこれからシメてきましょうか?」
私がそう言うと、アルフレッドが笑った。
「君は本当に面白いね。安心して。彼女たちは、僕がシメておいたから」
キラキラ皇太子が、キラキラ笑った。
怖いわ、マジで。
「そんなご令嬢が多かったから。君もそうかなって。だから、ちょっかい出させてもらったんだ」
アルフレッドがそう言って、微笑む。
ちょっかい…嫌がらせってことか?
「でも、なんていうか君。ずっとジークのストーカーしてて、自分から話しかけようとしないし。僕が話しかけると、毛虫でも見るような目で見てくるし。よくわかんなくって」
アルフレッドはそう言いながら、思い出しているのかクスクスと笑っている。
「何を思い出しているのか存じませんが、これでも一生懸命だったんですよ」
私は一生懸命頑張ってただけだ。
「だって…僕、一応、皇太子だよ?モテモテの。それなのに、あんな…毛虫を見る目って…初めてなんだもん」
そう言って笑っている。
自分でモテモテって言うんだ。
無理だわ、やっぱり。




