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モブ令嬢に転生したので推し活していたら極悪令嬢に昇格しちゃいました  作者: 西園寺百合子


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19/29

19 ふたたび告白からの…

子爵令嬢/生徒C ニーナ・ヴァロワ

皇太子 /攻略対象 アルフレッド・クロムウェル

公爵  /攻略対象 ジークハルト・ベルシュタイン

伯爵  /攻略対象 リュカ・モンパルナス

伯爵  /攻略対象 オスカー・ウィリアムズ

伯爵令嬢/悪役令嬢 クロエ・ラングレー

男爵令嬢/ヒロイン アリアナ・ロゼ

中庭にいる。

なんとなく、そう思った。


中庭のお気に入りの場所に行けば、ヒロインなら、必ず会えたから。

今の私は、なんだろう?

生徒C?悪役令嬢?それとも…


息を切らして中庭に行くと、やっぱりそこにジークハルトがいた。

後ろ姿だけど、耳まで真っ赤になってる。

たぶん、人前で大きな声を出して恥ずかしかったんだろう。

「ジークハルト様。大丈夫ですか?」

後ろから声を掛けてみる。


「え…ニーナ嬢?ぁ…だ、大丈夫。走ってきたから、ちょっと息が…」

そう言ってるけど、息は上がってる感じがない。

なんで嘘をつくんだろう。


「さっきは、庇っていただいて、ありがとうございました」

見ないだろうけど、頭を下げた。

「いや。俺は本当のことを言っただけで」

「言い出せない雰囲気だったんです、ジークハルト様がおっしゃったとおり。だから、代わりに言っていただけて、すっきりしました」

そう伝えると、ようやく私を見てくれた。


「そう…役に立てて、よかった」

ジークハルトが頭を掻く。

頭を掻きながら、前髪で傷を隠そうとしている。

たぶんクセなんだろう。

「…隠さないでください。かっこいいお顔も、隠れてしまいますから」

そう言って、傷を撫でる。


…しまった。

「すみません。と、突然、触ったら、怖いですよね…」

そう言って手をひっこめようとして、手首を掴まれた。

「あ、雨が降ると、傷が痛むから…その…」

「今は、雨は降ってません…」

わけのわからないことをジークハルトが言うから、つい、即答してしまった。

ジークハルトの顔が赤く染まっていく。


「すみません。嘘をついてしまいました。その…極悪人なので。…雨、降ってますね」

あまりにもジークハルトが可愛いから、嘘をつくことにした。

「…毎日、雨が降ったら、毎日、君は癒しに来てくれるだろうか?」

ジークハルトがそう言って私を見る。

ドキドキと心臓の音が響く。

これは、とてもまずい展開な気がする。


「雨が降っていなくても、毎日、癒してほしいとお願いしたら、君を困らせるかな?」

ジークハルトがじっと私を見る。

私の推し、かっこいい。

チワワに見えてきて、困る。

「困ります…断れないので…」

消え入りそうな声が漏れた。


「じゃあ、断らせないから。毎日、癒してほしい」

ジークハルトの腕に力が入って、抱き寄せられてしまった。

「で、でも私、その、子爵令嬢で…」

「極悪人と噂されてる?大丈夫、俺も、極悪人って言われてる」

そう言われて、笑ってしまった。


まだ、1年生だもの。

将来のこととか、とりあえず忘れちゃおうかな。

今は、大好きな推しに抱きしめられている幸せを噛みしめたい。

「…じゃあ、友達からお願いします」

私がそう言うと、ジークハルトが少し体をはなす。

「恋人からで、お願いします」

そう言われて、また微笑み合った。


すっかり授業をさぼってしまった。

ここまでさぼったら、まあいいかということになり。

食堂にランチボックスを買いに出かけた。

ジークハルトと一緒に。


タマゴサンドのランチボックスと、ハムサンドのランチボックスを買った。

「シェアして、一緒に食べよう」

そう言われて、なんだか嬉しくて、涙が溢れた。

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