18 本当に起こったことの暴露
子爵令嬢/生徒C ニーナ・ヴァロワ
皇太子 /攻略対象 アルフレッド・クロムウェル
公爵 /攻略対象 ジークハルト・ベルシュタイン
伯爵 /攻略対象 リュカ・モンパルナス
伯爵 /攻略対象 オスカー・ウィリアムズ
伯爵令嬢/悪役令嬢 クロエ・ラングレー
男爵令嬢/ヒロイン アリアナ・ロゼ
しんと静まり返る教室。
そういえば…授業はいつ始まるんだろう。
そう思って入口をみたら、入口で先生が固まっていた。
入れなくなってたか…ごめんね。
「さっきから聞いているけど、アリアナ嬢の言っていることに真実が1つもない」
ジークハルトがそう言った。
「まあ!極悪人同士、庇いたい気持ちもわかりますが、全部本当のことです」
アリアナ、口が悪いぞ。
ヒロインにしては、本当に口が悪い。
「アリアナ嬢。実はね、噂を聞いて、僕も調べてみたんだけど、どうも、噂は悪意のある、ただの噂、みたいなんだよ」
そう声をあげたのは、キラキラ皇太子…アルフレッドだった。
何やら紙をもって、それを見ながらアルフレッドが話し始める。
「女子生徒の教科書やらノートやらを破って捨てた、という件だけど。誰が教科書やノートを破られたのかな?破られたという人は挙手してくれる?」
アルフレッドがそう言ったけど、誰も手を挙げない。
「ほ、他の学年の子ですわ!」
アリアナがそう言うと「へえ」っとアルフレッドは首を傾げた。
「つまり、ニーナ嬢は、わざわざ、教科書やノートを破るために、他の学年の教室まで行ったってことだよね…防犯カメラに映ることなく」
そう言って、アルフレッドが廊下の防犯カメラを指差した。
教室内には防犯カメラはないが、廊下や学園の出入り口には防犯カメラがあるのだ。
アリアナが言葉を失った。
「さらに、君はニーナ嬢に階段から突き落とされそうになったらしいけど、いつの話だろうか?」
アルフレッドがアリアナに詰めよっている。
なんか…おかしい。
「えっと…今日、です」
アリアナの目が泳いでいる。
「それもまた、不思議な話だね。さっきも言ったけど、この学園には防犯カメラがついてるんだよ。階段にも。調べさせたけど、ニーナ嬢が出席した日、今日はもちろん、遡ってみたけど、君を突き落としてるところはなかった」
そう言って、アリアナの後ろの生徒を指差す。
「君が、ニーナ嬢を階段から突き落とそうとしていたところは、映ってたよ」
そう言われて、アリアナの後ろにいた生徒がペタンと座り込んだ。
アリアナといつも一緒にいる人が、私をつき落そうとしていたようだ。
「最後に、ニーナ嬢が俺に迫ったという噂だけど」
ジークハルトがそう言って、少し顔を赤らめる。
可愛い…じゃなくて。
本当に、それは言わなくていい。
「それは、本当です!ジークハルト様、ご迷惑をおかけしてすみませんでしたっ」
そう言って頭を下げる。
「いや、あれは、俺が君に告白して…振られたんだ。こんな噂になってしまって、すまない…」
ジークハルトが頭を下げる。
公爵家の人が、子爵令嬢なんかに頭を下げる必要はないのに…
あいかわらずなんだから。
「じゃあ、本当に噂は全部、嘘だったってこと?」
誰かがそう声に出した。
わらわらとそれが広がっていく。
「なんだ…そうなら、そう言ってくれればいいのに」
誰かがそう言った。
言えねーよ、って思ったけど、微笑んでおくことにした。
「そういってくれればいいのに、じゃないよ!」
そう言って大きな声をあげたのは、ジークハルトだった。
「言えない雰囲気作っておいて、よくそんなこと言えるな?!」
ジークハルトが声を出した生徒につかみかかろうとして、アルフレッドに止められている。
慌てて私も止めに入った。
「せ、先生がっ!困ってます…」
そう言って、入口のところを指差す。
全員の目が入口に集まって、バラバラと席に戻っていった。
ジークハルトはふいっと教室から出ていってしまう。
どうしようか悩んでいたら、アルフレッドが「行ってあげて」と囁いた。
キラキラ皇太子なら、この場をなんとかしてくれるかもしれない。
「すみません」
そう伝えて、ジークハルトを追いかけることにした。




