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モブ令嬢に転生したので推し活していたら極悪令嬢に昇格しちゃいました  作者: 西園寺百合子


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15 夜のお散歩にはいいことがある

子爵令嬢/生徒C ニーナ・ヴァロワ

皇太子 /攻略対象 アルフレッド・クロムウェル

公爵  /攻略対象 ジークハルト・ベルシュタイン

伯爵  /攻略対象 リュカ・モンパルナス

伯爵  /攻略対象 オスカー・ウィリアムズ

伯爵令嬢/悪役令嬢 クロエ・ラングレー

男爵令嬢/ヒロイン アリアナ・ロゼ

誰もいない中庭を歩く。

ひとりが気楽だ。

いつも、ジークハルトがお昼寝しているところに座ってみる。

日当たりがいいらしい。

今は夜だから、日は当たらないけど。


カサっと音がして、驚いて、音のした方を見た。

「あ…ごめん。姿が見えたから」

そう言ったのは、ジークハルトだった。

これは夢か?

「あ…すみません。お気に入りの場所を、とってしまいましたね」

そう言って立ち上がろうとすると、ジークハルトが隣に座った。


なんとなく、立ち上がるタイミングを逃してしまって小さくなる。

「…大丈夫?」

ジークハルトがそう言って、言葉を選んでいるようだ。

私の悪評が広がってることを気にしてくれているんだろう。

「はい。もう、全然!おかげで、私が歩くだけで、みんなが道を譲ってくれるようになりましたから」

優しいジークハルトに心配はかけたくない。


「では…私はそろそろ」

そう言って立ち上がると、ジークハルトに手を掴まれた。

「あの…困ったことがあったら、言ってね。こうみえて俺、公爵家のものなんだ」

そう言われた。

たぶん、ジークハルトなりに、面白いことを言ったつもりなんだろう。

笑えないけど。


でも、ジークハルトには頼れない。

私なんかと一緒にいたら、ジークハルトまで悪く言われかねない。

それこそ、闇落ち一直線。


「はい、そのときは、公爵家の方に頼らせていただきますね」

そう言ったまま、2人で固まる。

ジークハルトは、いつ手をはなしてくれるんだろう。

相手がアルフレッドなら、叩き落としてるんだけど。


「あの…ジークハルト様…?」

「…困ってるよね。今」

私が話しかけると、ジークハルトにそう言われて、困る。

色々と困ってるけど、今、1番困ってるのは、ジークハルトが手をはなしてくれないことだから。

「えっと…こ、こんなところに2人でいるところを、他の方に見られると、ジークハルト様に悪い噂が立ちますから…こ、困ります…」


声が小さくなっていく。

「学園はとくに、恋愛禁止じゃない。お互い、婚約者もいない。悪い噂なんか、立たないよ」

ジークハルトがそう言った。

「そういう噂じゃなくて…その…」

言葉を濁す。

今の私は、超極悪人になってる。

もともと、極悪人と言われているジークハルトが、私のせいで、さらに悪く言われたらと思うと胸が痛む。


「あの…私…」

そこまで言うと、雨が降ってきた。

また、雨か。

そう思って空を見上げた。

「…部屋に戻りますね」

そう言ったのだけど、ジークハルトに東屋あずまやに連れていかれた。

「ここなら、屋根があるから」

そう言われて、また困る。


「…雨が降ると、傷が痛むんだ。君が撫でてくれると、痛みが和らぐんだけど。…少しの間でいいから、癒してもらえないだろうか」

ジークハルトが私を見る。

そう言えば、雨の日は傷が痛むって言ってたっけ。

本当に痛そうな顔をしていたから、そっと傷を撫でてみた。


「…これで、痛みがやわらぎますか?」

おずおずと尋ねると、ジークハルトが微笑む。

きゅんっと胸が痛んだ。

私の推しが素敵すぎる。


「あの…ニーナ嬢は、アルフレッド殿下のことが…その、アルフレッド殿下に…あの…」

ジークハルトが何度もアルフレッド殿下を繰り返す。

キラキラ皇太子がどうしたんだろう?

「アルフレッド様と、何かありましたか?」

傷を撫でながら尋ねると、ジークハルトが私の手首を掴んだ。


「ニーナ嬢は、アルフレッド殿下に好意を寄せているのだろうか?」

そう尋ねられて、固まる。

キラキラ皇太子に好意?

「いえ。全く。嫌いじゃないけど、苦手です」

即答できる。

ハっとして、修正?訂正?する。

「じゃなくて…わ、私なんかが好意を持っていい相手じゃないというか。皇太子ですし、じゃなかった。皇太子殿下ですし…はい」


今さら持ち上げても遅いとわかってるけど、皇太子に向かって苦手ですはダメなやつだ。

「ふっ、嫌いじゃないけど苦手って…」

くくっと声を殺してジークハルトが笑っている。

可愛い…


ざぁっと雨が降ってきた。

どうやら、本降りになってきたみたいだ。

そろそろ帰らないと。

ジークハルトの可愛い顔が見られてよかった。


「では、そろそろ…」

そう言って立ち去ろうとして、また手首を掴まれてしまった。

「まだ、話があって…」

ジークハルトがまっすぐ私を見てくるから、戸惑ってしまった。

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