表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モブ令嬢に転生したので推し活していたら極悪令嬢に昇格しちゃいました  作者: 西園寺百合子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/28

11 ランチボックスとニーナの閃き

子爵令嬢/生徒C ニーナ・ヴァロワ

皇太子 /攻略対象 アルフレッド・クロムウェル

公爵  /攻略対象 ジークハルト・ベルシュタイン

伯爵  /攻略対象 リュカ・モンパルナス

伯爵  /攻略対象 オスカー・ウィリアムズ

伯爵令嬢/悪役令嬢 クロエ・ラングレー

男爵令嬢/ヒロイン アリアナ・ロゼ

スチル画。

それは物語の重要な場面を静止画にした、芸術品。

さらに、スチル画に添えられる、特別ボイス。

これがもう、ファンにはたまらんご褒美になるわけで。


この特別スチルを見るためには、色々と大変なわけで。

スチル画の攻略対象の好感度を上げておかないといけないとか。

そのルートになるように会話を選択しなくちゃいけないとか。

当然だけど、そのスチルが発生するためにはヒロインと攻略対象がいないといけないとか。


…どうして、生徒Cで発生したんだ。


色々とおかしい。

ヒロインであるはずのアリアナは、全然ヒロインっぽくないし。

悪役令嬢であるはずのクロエは、ぜんぜん悪役してない。

アルフレッドはキラキラしているだけだし。

リュカやオスカーは視界にすら入ってこない。

どうなってる?

このゲームのストーリーは、ちゃんと動いてるんだろうか?


もしも、ストーリーが動かなかったらどうなるんだろう?

ジークハルトが闇落ちすることはないんだろうか。

そうならいいけど。

不安要素は、ヒロインであるアリアナが、皇太子のアルフレッドに好意を持っている点だ。


ゲームのストーリー通りなら、ジークハルトは闇落ちして、王家を滅亡させようとして処刑される。

そうならなければ、多少…いや、がっつりストーリーからはずれようが、私には関係ない。

だって、生徒Cですから。


そこまで考えて、気がついてしまった。

ジークハルトが闇落ちするのは、アリアナを好きになって、そのアリアナが別の人を好きになるからだと。

つまり、ジークハルトがアリアナを好きにならなければ…いいのか?


ゲームを思い出す。

アリアナと恋を育むジークハルトは、とても幸せそうだった。

(スチル画でしか見てないけど)

本当に、ジークハルトはアリアナのことを好きにならなくていいんだろうか?


「ジークハルト様の幸せって、なんだろう…」

休憩時間にサロンでお茶をしながら考える。

「そんなに、ジークに幸せになってほしいの?」

そう声が聞こえてきて振り返る。

面倒だけど立ち上がって「これは、皇太子殿下」と挨拶をした。


「あはは。君くらいだよ。僕が声をかけて、そんなに嫌そうな顔をするのは」

そう言われた。

「嫌なのではなく、立つのが面倒だなと思っただけですわ…あ、すみません。本音が」

そう言って口元を隠す。

学園内だし、これくらいなら許されるだろう。

「あははっ!君、面白いね」

アルフレッドは声を出して笑ってる。

声を出すから、他の女子が集まってくるじゃん。

面倒…


「それでは私はこれで」

そう言って立ち上がると「え?せっかくだし、ランチ、一緒に食べようよ」と言われた。

「申し訳ありませんが、先約がございまして」

そう言って、礼をする。

今日は、ジークハルトにランチボックスを買っていく。

食堂のごはんが食べてみたかったなんて、可愛い。


「先約?大切な用、ではなく?」

「先約です」

「誰と?」

「殿下にお伝えする義務はありませんので」


面倒だ。

そう思っていると、またアルフレッドは笑った。

「僕にそこまで言えるの、君くらいだよ」

そう言われた。

キラキラ皇太子、うざい。


「では」とその場を立ち去ろうとすると、アルフレッドがついてきた。

「あの…本当に、先約がありますので」

「うん。僕もたまたま、こっちに行くんだよ」

ああいえばこういうで、結局食堂までついてきて、結局中庭までついてきた。

うざい…


「あ…アルフレッド殿下も一緒でしたか」

ジークハルトが困った顔をしている。

こんな顔をさせたいわけじゃなかったのに。

「す、すみません。殿下が、ついてきちゃって…あ、でも、タマゴサンドのランチボックス、買えたんです」

そう言って、ジークハルトにランチボックスを渡す。

「あ…ありがとう」


「そうか。ここでランチボックスを食べる約束をしてたんだ。じゃあ、僕もご一緒させてよ」

キラキラ皇太子がそう言った。

この国のどこに、皇太子の申し出を断れる人がいるだろう。

私一人なら、断る。

だが今は、公爵家のジークハルトがいる。

私の我儘で、ベルシュタイン家にご迷惑はかけられない。


そんなわけで、3人でのランチタイムが始まった。

「ジークとこうやって食事をするのは…何年ぶりかな」

アルフレッドが突然、そう言った。

「子どもの時以来ですね」

「敬語はやめてくれよ。子どもの頃は兄弟みたいに育ったじゃないか」

2人の会話を聞くに、子どもの頃は仲の良い2人だったようだ。

そんな設定、あったかな?


「子どもの頃は、子どもの頃ですよ、殿下」

ジークハントがそう言って、沈黙になってしまった。

気まずい。

「あ…アルフレッド様のランチボックスは、ハンバーガーなんですね。淑女には難易度高めのランチボックスです。あはは…」

そう言うと、アルフレッドが「そうなの?」と言った。


「っていうか、皇太子でも、大口でハンバーガー食べるんですね。ナイフとフォーク使うのかと思いました」

正直な感想を言うと、アルフレッドとジークハルトが「あはは」と笑った。

「そりゃあ、ハンバーガーくらい、食べるよ」

「ナイフとフォークって…どんなイメージだよ」

2人が笑ってるの、なんかいいな。


詳しくは聞けてないけど。

2人に距離ができたのは、たぶん、ジークハルトの顔の傷のせいだろう。

アルフレッドが言うように、子どもの頃は兄弟のように仲がよかったのなら。

またその頃みたいになれたらいいのに。

そうしたら…王家の滅亡なんて望まなくなるんじゃないか?

ジークハルトが闇落ちする可能性が減るのでは?


「これだ!」

ニーナ、閃きました!


「…どうしたの、ニーナ嬢?」

ジークハルトが驚いた顔で私を見る。

「アルフレッド様、ジークハルト様、明日も、一緒にランチ、しませんか?」

私がそう言うと、ジークハルトが困った顔をした。

「僕はいいよ。ニーナ嬢とのランチは楽しいからね」

アルフレッドにそう言われて、ジークハルトを見る。

「あ…うん。そうだね。いいよ」

ジークハルトの言質、いただきました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ